ホワイトな職場すぎて自分がこの先成長できるか不安。
これが私が最初にぶつかったキャリアの壁だった。
広く知られた大企業で給料も良く、残業もほとんどせずに迎えた新卒3年目。
働く環境はこれほどない好条件だったが、自分が理想の姿に向かって成長している感覚が無く、仕事にやりがいを感じられていなかった。
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結婚もしておらず子供もいない、なんのしがらみも無かった20代前半。
もっとステップアップしたい。
がむしゃらに働いてみたい。
そんな気持ちがあったものの、いまの安定を捨てても大丈夫なのか?という不安や周りの目を気にしてなかなか一歩踏み出せなかった。
そこから真剣に自分の理想の姿、そうなるためにはどうすればいいのかを考えた。
たくさんたくさん悩んで考えた。
周りからは「そのまま働いていればどんどん給料も上がるし安定しているのにもったいない」。そんなことを言われることもあったけれど、そんなの関係ない。
自分がどうしたいのか。どうありたいのか。
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あなたも周りの意見に振り回されていないだろうか。周りの目を気にしていないだろうか。
そんなもの気にしたって誰も自分を幸せにしてくれる保証なんてない。自分を幸せにできるのは自分だけ。
そして転職によって壁を一つ乗り越えた先には、また壁が立ちはだかっていた。
転職によって自分のつけたかったスキルを身につけ、チームをまとめる立場になり職場にとって欠かせない存在となった。どんどん責任ある仕事を任された。一つ目の壁にぶつかったときに「こんな自分になりたいな」と思っていた自分にどんどん近づいている感覚があった。
しかし、前に進んだからこそ新しい壁が見えてきたのだ。
二つ目の壁は、仕事とプライベートのバランスを保って自分の事、家族の事も大切にしながら働きたいということ。
とにかくがむしゃらに働いていて、自分とそして家族とじっくり向き合う時間など無かった。
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「この家に帰ってくるのがつらい」
ある日夫にそう言われた。
家に帰ってきても何もやる気が起きずに口数少なく、週末の夜は泣いている私。
家事も満足にできずにたまっていくほこりと洗い物。
自分も夫も限界だった。
そんなときに夫のその一言にハッと気づかされたのだ。
一つ目の壁を乗り越えたときは自分のことだけ考えていれば良かった。
しかし、いまは家族がいる。大切な夫がいる。
一番大切にしたい人を大切にできていないじゃないか。
それに気づいてからはすぐに仕事をやめる決断をして、まずは自分を見つめる時間をたくさん取った。自分の中にある大切にしたい「自分軸」を発掘してからはどう進めばいいのかがおのずと見えてきた。
現在は「自分軸」に沿った転職に成功し、仕事もプライベートも両立して毎日心地よく過ごしている。本当にいまは幸せだと胸を張って言える。
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いくつかのキャリアの壁にぶつかったからこそ、
そしてそれを乗り越えてきたからこそ言いたいことがある。
同じ場所で足踏みしているだけでは壁は現れない。
壁が現れるのは前に進んでいる証拠。
何かに悩むということはちゃんと考えることができているということ。
そして、壁を乗り越えたときにはきっと新しい世界が見えてくる。
きっと新しい自分にアップデートできる。
私はこれから子供も欲しいと思っている。
子供がいても働きたいと思っている。
子供がいてもやりがいを持って働いていけるということを体現していきたい。
働く女性のロールモデルになりたい。
これからも大きな壁にぶつかることだろう。それでも私は歩み続けていく。
新しい壁?臨むところだ。