努力は必ず報われる。
思い続ければ必ずハッピーエンドが待っている。
そう心から思っていた。
19歳までは。
映画やドラマでもほとんどがハッピーエンド。はじめは片想いでも頑張れば頑張ればその分必ず報われる。
◎ ◎
若い頃は恋愛以外でもそうやって教わって夢を見ることができる。
無責任かな、大人もそうやって教えてくれる。
だから素直に10代の頃はがんばる。
報われないのは努力が足らないからなのだと思う。
ひたむきに続けていればやがて叶うのだと信じて。
でも、そう思って向き合う恋は高校生の恋が最後だった。
3年間の片思い、そして卒業後も忘れられず4年間はその人のことを想っていた。
想っていただけでもじもじ伝えられなかったわけではなく、行動もかなりした。
告白したのは10回以上。イベントがあったらなにかしらのアピールはした。
恋が叶うかどうかは努力量に比例すると信じていたから、"想いを伝えることを"とにかく頑張った。
お手紙もたくさん書いた。
でも今振り返ったら迷惑だったろうなと思う。
◎ ◎
伝えた量で相手の気持ちが動く確率が変わるわけではないことも今ならわかる。
まぁでもそれがわからず、ピュアにひとをあれほど想えたのは若気の至り。
あれはあれで良かったんじゃないかとも思う。
エネルギーがそれだけ有り余ってたもんね。
元気だったなぁ。(笑)
やがて大人になり他の人に恋ができるようになった。
長年の恋は意外とあっさり卒業できるんだと知った。
もうその人しかいない!
恋をしていると盲目的にそう思うけれど、そんなことはない。
その人しかいないなんて、幻想。
これまで出会った人よりもこれから先に出会う人の数の方が10倍も100倍もいるのだから。
失恋はもっと自分に合う人がいることを教えてくれるメッセージだ。
自分を成長させてくれる機会なんだ。
◎ ◎
努力が必ず報われるわけではない。
恋愛は頑張った分実るわけではない。
むしろ頑張らなくとも報われるものもある。
そのくらい運要素も強くて、自分ではどうしようもない要素がたくさん詰まっているのが恋愛なんだ。
理屈でもなくて勉強や仕事のように再現性もあまりない。
難しいかな。
かなしいかな。
でもその分希望もいっぱい詰まっていると思う。
恋愛の醍醐味は相性。
他の人には恋の味もわからないもの。
他の人にとっては些細なことでも、自分にとっては世界が変わるくらい特別なこともある。
◎ ◎
恋は予測不可能で規則性もなくて、一期一会要素が強い。
告白のオファーをもらって、数ヶ月後にOKしても振られる可能性だってある。
タイミングもすごく重要だ。
大人になると少しは学習して、学生の時ほど偶然なんかに頼らなくはなる。
そしてだんだんと努力が報われないこともあるということに折り合いをつけてがんばることを覚え始めるのだと思う。
私にとってその転換期になったのは間違いなく高校生の恋だった。
悩める若い季節に思い切り盲目的に一途に片思いができて本当によかった。
今の幸せはその時の痛みのおかげだ。