「アナウンサーになりたい」と幼心に言った私に、母がぼそっと告げた言葉。
それがいまだに印象に残っている。もう10年以上経っているのに記憶に残っている。他の言葉は多くを忘れていくのになぜかこれだけ特に印象に残っている。
なぜだろう。
母は愛情いっぱいで育ててくれた。その記憶は今も変わらない。可能性を信じてくれて溺愛されていると思う。それは今も変わらない。
ただアナウンサーになりたいとふと思った私の思いは受け入れてもらえなかったのだ。
悲しいかな。でも母も悪気があるわけではない。それだけは確かだ。
母も深く考えて言ったわけではないと思う。きっと記憶にもないだろう。
それでも幼い頃の私にとって大切な何かがあったのだと思う。
「アナウンサー」自体に意味はなく、その後夢にもならなかった。
でも「そんなの当たり前に無理だ」という思い込みが潜在的に入っていった。
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プロ野球選手になりたいといって、それは無理だよとアドバイスする感じだろうか。
親が言う言葉というのはものすごく影響を与えるのだと思う。それに気づいたのは大人になって、心理学の学びを深めたりパワハラ上司のもとで働いたりした中でだった。
専門用語でピグマリオン効果という。
人は周りに言われる言葉のように、期待されるようになっていく。
「お前はだめだ」と言われたらダメなようになる。
「君は仕事ができない」と言われれば、仕事ができないようになっていく。
言葉の力は恐ろしい。
大人になったらいかようにも自分で自分を育み直すことができた。だから人生は親次第だとは思わない。自分次第だとは思う。
ただ、親に可能性が拡大する言葉をもっとかけてもらえていたら、とても大きなアドバンテージになっただろうと思う。
もちろんたくさん褒めてももらったし、セルフイメージが高まる声かけもたくさんもらった。母もいつからか、それに気づき私への声かけが変わるようになった。
母もきっとわからなかったんだろうな。だってお母さんになるのはみんな初めてで、誰も教えてくれないんだもんなと。そんな中でも精一杯育ててくれた母には感謝しかない。
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この世の中のことはすべて思い込みでできている。
これはこうだと思えばそうなっていく。
恐ろしいことだと思う。
でも一方で可能性が詰まっていると思う。
声かけ次第でその人のセルフイメージが変わる。
セルフイメージが高まれば自信がつき行動できる。
「自分にはできる」という根拠のない自信が育ちどんどん新しいことに取り組んでいけるようになる。
その土台となるものを幼少期に育めるんだ。
もちろん思春期を過ぎて大人になってからでも遅くない。
でも幼少期ほど柔軟な季節はないから、そこではお母さんの影響力がすごいよね。
自分が母親になったら、とにかく青天井に伸ばせる才能を開花する言葉掛けをする。
母から受け取った愛を土台にもっともっと素敵な恩送りを。
こんなにも大切なシンプルな法則に気づけた私はきっと素敵な母親になれると思う。