私の就活は成功した、と思っている。なぜ言い切れないかというと、入社して約二年半で退職したからだ。退職理由には持病の双極性障害が大きく関わっている。

だが、大学生の時に就活を一生懸命やり切って、第一志望の企業から早期内定を貰ったからこそ、今、次に進めていると感じる――。

私が就活を始めたのは、大学二年生の秋だ。早い方だと思う。なぜ早く動いたかと言うと、私はマイペースで、大学の入学は浪人で人より三年遅かったから、「就職も人より三年遅れるのではないか」という焦りがあったからだ。

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大学は中堅大学で、アットホームな大学だったから、就職サポートが手厚かった。私の就活のはじめの一歩は、大学主催の企業説明会に参加することだった。企業説明会と言っても、学生が企業に出向くのではなく、企業が大学に来てくれるのだった。

三カ月間で五十社程はあっただろうか。大手企業ばかりだから、内定に繋がるかと言えば、正直厳しいが、当時は業界のことも全く分からなかったから、非常に意義があった。

最初の企業説明会は、大手製薬会社だったことを今でも覚えている。大学側から「ただ聞くのではなく、メモを取りましょう」と言われたのでメモを取ったが、肌感で「製薬会社は今伸びている業界なのだな」ということは分かった。

就活成功の大きな要因となったのは、「就活攻略論」というブログサイトだ。おそらく二十代後半くらいの人が一人で大量の記事を書いていて、そのブログサイトの人自身が、中堅大学出身で大手企業から内定をもらった、という実績に惹かれた。
ちなみに、教育担当の母親は、自身が就活であまり上手くいかなかった為、ほぼ干渉してこなかった。大学受験の際は過干渉だった為、随分気楽だったことを覚えている。「就活攻略論」も、自分で色々と調べた中で見つけた。

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「就活攻略論」では、長期インターンシップが大事、と書いてあったので、三年生の夏前から本格的に動いた。夏のインターンシップに参加するには、六月ごろから書類選考が始まる。大学の前期は七月末までだから、六月なんてまだまだ授業で忙しかった。授業の中で一番重い、発表がある授業の緩急を見極めて、「自分の発表は一か月後だから、今日から一週間は就活をやろう」と決めてやった。

結果的には、就活と授業を並行してやっていたことになるが、実際はその時その時、一つずつやっていた。

夏の長期インターンシップには、十三社エントリーして、二社に合格した。面接まで行って落ちた企業の中に、「なぜもう一度第一志望を受験しようとは思わないのですか?」と聞いてきた企業がある。おそらく「あなたの失敗談を教えてください」という王道の質問に私が大学受験で苦労したことを言ったのだと思う。

だが、控えめに言っても非常に不快だったし、面接の翌日にお祈りメールが来た点も企業の印象を悪くした。

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こういった違和感を学びにしながら就活を進めていった。夏のインターンシップが終わり、しばらく授業に追われ、後期が終わる冬頃にまた長期インターンシップに応募した。今度は九社エントリーし、二社合格した。そのうちの一社が入社を決めた企業である。
一日六時間×五日間のインターンシップで、沢山の社員さんと話すことができた。入社後も良い人ばかりいる会社の雰囲気という印象は変わらず、会社の上司・先輩と二回もディズニーランドに行った。

だが、あんなに一生懸命就活をしたのに、持病の双極性障害により約二年半で退社し、現在は自宅で療養中である。だが、一生懸命やったからこそ、「私には働き方が合っていなかったのだな」と受け入れることができ、次の仕事探しに繋がっている。

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