選んだ道、選ばなかった道。

彼と付き合い続けるという道。

去年7月から12月にかけて、私には恋人がいた。仮名は拓。
大学生ではあったが、諸事情により受験し直す道を選び、仮面浪人していた男性だ。

一度、いきなり連絡が途絶えた時があった。その時はスマホが壊れたらしい。直してすぐに連絡してくれた。連絡が急にできなくなったから、私が消えてやいないか不安だったらしい。
そんなことで死にやしないのに、と思いながらも、当時の私ならしでかしてもおかしくなかった。それくらい彼を好きだった。
否、依存していた。

◎          ◎ 

彼から連絡がなければ苦しかった。彼の些細な言動に一喜一憂していた。それが恋と言われればそれまでだけど、私はそれを窮屈に感じた。

いつからだったか。彼からの連絡頻度が減ったのは。
確か受験勉強に追われだした11月頃。
けれどそれは仕方ないことだと思っていた。
私は彼との未来を取りたかった。今、刹那の幸せを得るよりも、将来の幸せをと。
拓が頑張っているのを知っていた。だから、寂しいなんて言葉も、声が聞きたいというわがままも言えなかった。
ただ頑張ってって言葉と、こちらからメッセージを送りすぎないこと。それができる全てだった。

◎          ◎ 

その結果、拓からの連絡はほぼ一切といっていいほどなくなった。
今まで毎日のように連絡して電話できていたからこそ、何もできない日々が辛かった。
いつからだろうか。実は嫌われているんじゃないかという不安に襲われだしたのは。
今まで言えなかった不満が漏れ出るようになったのは。
愛していたはずだった。ずっと一緒だと思っていた。それなのに、もう無理だと思い出したのは一体いつだっただろうか。

そんな中、少し気になる人が現れたのが運の尽きだったのだろう。
結果、私は別れを告げた。
拓からはわかったということと、自分を責めすぎないでとだけ言われた。
拓が今、どうなっているかは知らない。

◎          ◎ 

私は今フリーだ。
気になった人とは一瞬付き合ったが別れた。それからすぐ、他の子とも付き合ったが音信不通になり、別れを切り出した。
今は誰とも付き合っていない。
でも、これでいいのかもしれないと思う。
だって私はすぐに依存してしまう。それが全て悪いとは言わない。けれどいいことではないはずだ。

私が選んだ道は、拓と別れる道。
これが正解かは知らない。けれど満足している。おかげで私が恋愛に不向きだと再確認できたから。
けれど、彼のことを完全に嫌いになったわけではない。
かつて同じ道を歩もうとした者として、幸せをただ願っている。
私にできるのはその程度だ。

私はまだ、きっと私の全てを愛してくれた人たちを愛している。それ以上でも以下でもない。けれど許してくれる人がいて、依存しすぎない人で生きていけるなら、また恋したいかもなぁ、なんて思っている。そんな日、来るといいな。