週末は〇〇企業に勤める先輩の話を聞きに行って……。ある日はSPI試験の勉強をして……。ある日は志望企業の最新情報を見て……。
大学3年生の夏に留学から戻ってくると、周りの同級生たちは一斉に就活モードになり、学内の空気は心なしかピリッとしていた。

私は大学2年生の時から、学内の中国ゼミの数名と一緒に中国に留学していた。

中国では、もちろん中国語習得のために大量の宿題をこなす日々で精一杯だった。元々、中国語はわずかしかできなかったが、中国語は、英語と違って日本人にとって馴染みやすい言語・文化なんだな……というのが、留学すると日に日にわかっていった。当初は課題に言語に文化に手探りだったが、後半からは、「中国で過ごし、中国でやっていけている……」そんな実感を持ちながら、現地生活を満喫する余裕も出てきたように思う。

そんなこんなで、就活までは、中国で過ごし、中国現地の文化や生活を満喫し、自分なりに「中国生活をモノにした」という実感を持って異国の地で毎日を過ごしてきた。

◎          ◎ 

ところが、大学3年生の夏に帰国して、大学に戻ると、皆はリクルートスーツを着てすっかり就活モードになっていた。私と同時期に英語圏やヨーロッパに留学していた同級生も何人かいるが、彼らは、ヨーロッパの現地にいながら、同時に就活の準備を進めていたそうで、どことなく余裕な雰囲気を出している。

大学2年生と3年生の違いは、これか!というほど、学内の雰囲気が変わっているのが、印象的だった。

就活に対して多少の浦島太郎感はあるが、私はなぜか次を見ていた。
厳密にいうと、中国での留学終了間近には、「自分なりにやり切った。これ以上中国語を勉強し続けて、中国の人たちと過ごしても、今と同じ様な学びだろう。帰国したら、やはり英語を勉強して、今度はもっと多様な国の人たちと話してみたい」と思うようになった。

そのため、帰国したら、すぐさま英語を勉強できるように、帰国前にとるべき資格試験や留学先での成績取得を終わらせていた。

そんなこんなで、帰国したら、私は就活をしながら駅前のマンツーマン英会話スクールに毎日通い、品川駅のカフェで1人TOEICなど資格試験の勉強もする……という、そんな英語漬けの生活を送っていた。

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信頼できる先生に出会い、英語を勉強するうちに、みるみる「やっぱり仕事で英語を使いたい。海外や外国人と一緒に仕事がしたい」と強く思い、のめり込むようになった。そんな純粋な動機や想いもあって、日々の英語訓練は、全然苦ではなかった。むしろ、夢に向かって必死だった。

就活と英語特訓を続けた結果、当時一番行きたかった会社・部署から内定を頂けた。
2次面接官だったイギリス人上司や、オーストラリア人の人事面接官が、私のこれまでの努力や夢に向かって必死な姿、純粋な動機を評価してくれ、快く受け入れてくれた。
外国人人事から英語で内定の電話がかかってきた時には、「努力が実って、自分で自分の将来を切り拓き、扉が開かれた」と純粋に嬉しかったのを覚えている。

はじめて運や才能ではなく、積み上げた努力によって「英語を使って外国人と働く」という憧れが現実になった瞬間だった。そんな、意志の塊が夢を現実にした。

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