古いジェンダー観に囚われているような発言をしちゃう人って、多分、コミュニケーションをとることに余裕がない人なんだと思うんですよね。

いや、そうじゃない場合もあります。
単純に古いジェンダー観をアップロード出来ていない人である場合も、もちろん、ありますが。シニア世代、シルバー世代にはそういう人がわりといますよね。

今どきな価値観に合わせようと頑張ってるけど、時折古い考え方が見え隠れしちゃってる人とか。頑張る気すらなくて、自分が叩き込まれた価値観こそ正義だと発信し続ける人とか、色々いますけども。

若い世代で、古いジェンダー観に基づいているような発言をしちゃう人っていうのも、いるじゃないですか。
その場合でも、アップロードできてない側なこともあるとは思うんですよ。親の考え方とか、過ごしてきた環境が古い価値観ゴリゴリだったりすると、そうなってしまうんでしょうね。
でも、そうじゃない側も結構多いと思うんです。それが、冒頭で言ったコミュニケーションをとることに余裕がない人、に該当するのではないかと。

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そういう人は、もう、話すことに精一杯なわけですね。
そう言うと、オドオドした人とか、いわゆるコミュ障な人を想像されるかと思うんですけど、そうとも限らない気がするんです。
コピーが上手い人っているんですよ。人生のなかで見てきた色んな人の話し方、所作を真似て、普通っぽく話せる人。でも、本質的に余裕がない。わざわざ他人を真似るくらいだから、自分自身のコミュニケーション能力や考えを信用していないんですよね。

自分が本当に思ってることを話そうという気がなかったりする。ていうか、何も思ってなかったりする。何に対しても何も思ってないから、他人の言葉とか、多くの人はこう言うよな、という言葉を引っ張ってきて発する。

そういう人が、うっかり、言っちゃうんですよね。
えー、女の子なのに珍しいね。
とか。
男がそんなんでいいわけ?
とか。
思ってもないのに、「これまで集積してきたデータからして女がこう言うのは珍しいな」とか「以前こういう話の時に誰かがこう返していたぞ」と判断して、発する。

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長々と書いてしまいましたが、これは、私の話です。ごめんなさい。

普通っぽいトーンで、普通っぽいテンションで喋ることに精一杯で、言葉選びを失敗することがある。後から、あるいは発した直後に気づいて猛省するけど、言った事実は消せないわけで。
当たり前ですが、このような言葉を受けた側に、理解してくれなんて言いません。そんな、滅相もない。こちら側の否であることは重々承知で、分かってもらえるなんて思っていません。

こんなどうしようもない私だけど、意外と石を投げられずに生きてこられています。表立って投げようとする人がいないからでもあるのだろうけど、土地柄も影響している気がしていて。
私は生まれてからずっと、札幌住み。五大都市とはいえ、地方は地方。自分以外にも、古い価値観に囚われてる若者が多いな、と感じるんですよね。女は早く結婚したがっている前提で話が進んだり、男は稼いでなんぼ、みたいな発言が飛び出したり。

そんな地方ならではの側面に救われている私だけど、これが健全な状態じゃないことは分かっています。私自身も変わるべきだし、周りもそう。ていうか、きっとこれからそうなっていく。東京には遅れをとるかもしれないけど、きっと地方も段々、固定観念から解放されていくんだと思います。
だから、それまでに。完全に追いつけないまでも、最後尾車両に追走できるくらいの自分ではありたいですね。