スポーツが出来たこと、人生で1度も無い。
全てのスポーツが出来ない。バレーも、バスケも、短距離走も、水泳も、まるで駄目。1000メートル走だけ学年の真ん中よりちょい上くらいの順位だったけど、あれは多分、ダルいから力を抜いて走っている人がちょこちょこいたおかげだったんだろうな。部活も当然、中高ともに文化部だった。

そんな私だが、スポーツに関して1つ、願っていることがある。
運動神経がすこぶる悪い人間しか入れないスポーツサークルを作ってほしい、ということだ。

◎          ◎ 

活動は不定期。参加したいときだけ参加するスタイル。JRか地下鉄の駅から歩いて行ける距離にある体育館などで行う。
実施するスポーツは毎回変わる。参加者の投票で決めてもいいかもしれない。私だったら、バドミントンか卓球に入れるかな。
で、絶対に譲れないポイントが、入会審査だ。もう、それはそれは厳しい審査をやってほしい。まじ〜〜〜!? そんなに〜〜〜!? ってくらいのやつ。本当に、真に運動神経が悪い人間だけを厳選してほしいのだ。中途半端な奴は要らない。私と同等にやりあえるレベルの、突き抜けた人間しか欲していない。

そんな奴らがわざわざスポーツやらなくたっていいじゃない、と思われたかもしれないが。
健康的じゃん、スポーツって。
流れる汗。仲間と共に。損得関係ない勝利を目指して。
なんて爽やか。出来ることなら、私だってその輪の中に入ってみたい。

だけど、普通のスポーツサークルじゃダメなのだ。ガチガチに大会とか出ているわけではないゆるい団体だとしても、ダメ。私はとんでもなく運動神経が悪いから、せっかくの爽やさに水を差してしまう。

◎          ◎ 

初めは笑顔で受け入れてくれるかもしれないけど、きっと段々「コイツさすがに出来なさすぎないか?」と思われ始めて、「ここまで酷いとちょっと」「遊びだとしても競技に支障をきたすというか」「こんなに出来ないのに何故運動系のサークルに入ったんだ?」などの不満がチーム内に蔓延していく。そして「悪く思われず自然な形で脱退を勧められる方法はないだろうか」なんて言い出すメンバーが現れる。性格の良い人が「それはさすがに酷いと思う。上手くなれるように私達も頑張って教えようよ」とか言うんだけど、そのせいで新たな亀裂が生まれる。「そんなの理想論だろ」「アイツが今後上手くなる可能性なんて無いって」みたいな反発が強まって、元々存在すらしていなかった溝がどんどん深くなって……。

みたいなことになるのは、私だって御免なんだよ。
大袈裟だな、と思われたかもしれないけど、こういうことが起こりうるくらいには、私の運動神経は悪い。

◎          ◎ 

だからどうか、運動音痴専用のスポーツサークル創設を。

運動出来ない立場でスポーツサークル結成を呼びかけるのは気が引けちゃうというか、ちょっと、勇気ないので。運動が出来る優しい人、社会貢献の気持ちで作ってください。法外な金額じゃなければ、きちんと会費は払いますので。