これまで、私はたくさんの試練を乗り越えてきた。学生のときは、部活や勉強で自分なりに結果を出してきた。就活や転活を頑張ったから、今は自分に合った職場で働けている。私からしたら、どれも結果が出るまですごく大変だった。それなのに、恋愛と比べたらすべてがとても楽なものに思えてしまう。
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見ただけで手に取るように相手の気持ちが分かる、魔法の薬があったらいいのに。全部思い通りにいけばいいのに。ずっとそう思いながら、片想いを続けている。近くて遠いあの人との距離を縮められたら、どんなにいいだろう。
他人に心を開くまでに、とにかく時間がかかる私。友だちは狭く深くで、片手に収まる程度しかいない。少しでも嫌な思いをさせられたらその人とはすぐに距離を置くし、何なら連絡先も消してしまう。そんな私に、気づいたら好きな人ができていた。
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話していてちょっとムカついてしまったこともあるけれど、それでも私は距離を置こうとしなかった。最初は緊張であまり話せなかったけれど、今では話しているととても楽しい。一緒にいる時間が心地よいと感じる。家族でも友だちでもない彼に対するこの気持ちは何なのだろうと考え、「好き」という感情だと分かったとき、嬉しくもあり複雑でもあった。
ただ一言、思いを寄せている人に「好き」と伝えればいいだけ。そんな簡単なことで相手の気持ちが分かる。でも、実際に行動を起こすのはなかなか難しい。だって、もしダメだったらきっと私の居場所と彼との時間を失うことになるから。そんなリスクを負うならと、ずっと気持ちを自分の中に閉じ込めていた。
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私の親友Kちゃんだったら、きっとどんどん距離を詰められるのかもしれない。物怖じせずに「好き」の2文字をはっきりと相手に伝えられて、ダメだと分かったら「よし、次!」と、いい意味で切り替えが早い。そんな彼女のことが昔から羨ましかった。
Kちゃんが「私が力になるよ」と言ってくれて、心強いなと思った。色々と作戦を考えながら協力してくれてありがたい。頼もしい彼女に私は頼りきり。「このままじゃダメだな」と、私も自分なりに少しずつ頑張るようになった。誰かに全部やってもらって実った恋なんて、全然嬉しいとは思えないから。
「いっぱい話してくれるようになった」
「初めて会ったときからどんどんキレイになっていく」
好きな人から褒められると、やっぱり嬉しい。3ミリなんてものじゃない。人見知りコミュ障で、暗い表情をしていた頃と比べたらかなり変われたんじゃないかと、自信を持てるようになった。ここで満足せずに、これからも努力していきたい。
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このままずっと恋人もいなくて、独身のままでいいと思っていた。このままの関係でいいと、自分の気持ちに見て見ぬフリをし続けてきた。でも今は、好きなあの人の隣にいたい。すぐそばで心の支えになりたい。小さな幸せであっても一緒に笑っていたい。1ミリでも2ミリでも彼に近づきたいから、私は自分に正直になる。もっとステキな自分になってみせる。いつか、彼に気持ちを伝えるために。