わたしとかわいいの距離はかなりあると思う……というのも、わたしは見た目がかわいい系ではないからである。身長もそこそこ高く、子どもっぽいというよりは、大人っぽい顔の雰囲気で、昔から年相応に思われたことがなく、小学生のときは中学生みたいに見えると言われ、高校生のときは大学生みたいに見えると言われていた。
かわいいものは好きなので、自分がときめくようなものはたくさん持っている。しかし、服装となると周りの目や年齢、自分の骨格に合うかを気にして、フリフリなものや流行りのリボンが付いているもの、ミニスカートは着ていないので、少しエレガントな服装になっているのかもしれない。
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わたしの記憶では、身長が低かったり、どちらかといえば童顔の女の子であれば「え〜かわいい〜!!」と、男女問わず色んな人から、特にかわいい行動をしていなかったとしても、ちやほやされていた覚えがある。
あとは、あだ名問題である。昔からなかなかかわいいあだ名で呼んでもらえたことがなく、かわいい子たちが、かわいいあだ名で呼ばれているのを、羨ましく思っていた。
見た目が大人っぽいと、周りから頼られるポジションを演じてしまい、かわいいとの距離が自然と生まれていたのかもしれない。
かわいいと言われるポジションの人の方が、得であると思う。妬みが入っているかもしれないが、かわいいと分類される人は、少しミスをしても「△△しちゃうなんて、○○ちゃんはほんとかわいいね(笑)」と言ってもらえる。また、かわいい子だと周囲の人たちに甘えたり、頼ったりしているイメージがある。逆にわたしは、しっかりしなくては、というナゾのしがらみに無意識のうちに囚われてしまっているのかもしれない。
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小さい頃から周囲の大人たちにかわいいと言われ続けていたことで、大人になってから困った、というとある女性の動画を観たことがある。昔から何をしても、かわいいと言われ続けていたそうだ。たとえば、絵を描いたらかわいい、転んでしまってもかわいい、逆上がりができなくてもかわいい、というように周りの大人からそのため、「○○するのは、褒められることなんだ!」と大きくなるまで勘違いをしていて恥ずかしい思いをしたらしい。
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おばあちゃんの友人で、クォーターで元から見た目も美しいのだが、上品でかわいらしい方がいる。その方は、80歳を超えた今でも、おばあちゃんにかわいらしい声で電話をしてきている。おばあちゃんの家に来るときは、必ずセンスの良い洋菓子やケーキをわたしの分まで持ってきてくれる。また、果物もよく送ってくれる。近所に果物農家のおじいちゃんがいるようで、おばあちゃんの家に果物を送ろうとするときは、必ずオマケをしてくれるそうだ。
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やはり、かわいらしい方に対しては何歳になっても、優しくしたくなるみたいだ。
せっかく女性に生まれたのだから、何歳になっても愛嬌のあるかわいい女性を目指したい。