20代前半は寂しさを感じると、マッチングアプリを開いたり、街コンや婚活パーティーの情報を探していたりしたのだが、実家暮らしで親の監視の目が厳しく、誰かと会うことには繋がらなかった。そうこうしているうちにコロナ禍となり、経験することのないままだ。マッチングアプリはやりとりだけで疲弊し、街コンは陽キャ感漂う募集案内に日和ってしまった。中でも婚活パーティーの男性側の条件の厳しさに驚いた。公務員、大企業勤務、年収いくら以上、身長何センチ以上など、このスペックだったら婚活パーティーに参加しなくても良いのではないかくらいの条件が並べられている。その上、男性は参加費が女性の倍以上ある。どういう男性が集まるのか以前に、この条件の男性を求めてやってくる女性たちの中に身を投じるのが恐ろしすぎた。

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20代前半は好条件を求めてやってくる女性たちに恐れおののいていたが、20代も残りわずかになると、どういう女性がどの面下げてやってくるのか見てみたい好奇心の方が勝ってくる。実家から出たら婚活パーティーをはじめとして、遊びまくってやろうと思っていたのだが、同時期に恋人ができた。女性側の条件としては年齢が挙げられることが多いので20代のうちに婚活パーティーに行ってみたかったなと思う。ということを、下手なランチ代より安い料金で、たくさんの男性と話す機会を得られてごはんが食べられるから行ってみたいと付け足して恋人に話したら、男性は安くない金額を払って来ているから冷やかしで参加するのは心が痛むと返された。確かにその通りだと反省した。でも、とにかく冷やかしでもいいから女性を集めるために低価格で飲食がセットという戦法なのだろう。私はまんまとはまっている。

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「20代でしたいこと」というテーマでこんなくだらないことを考えてしまうのは、真面目に考えようとするとガチ鬱になってしまうからに他ならない。20代といっても、私にはあと1年ちょいしかない。私が住んでいる地域では昨年あたりから若年女性支援が増えてきたように感じる。大抵、10代20代が対象で、子ども食堂の若年女性版のような感じの活動が多い。困難を抱えている女性を食事で呼び寄せ、そこですくい上げて適切な支援に結びつけるのが目的だろう。支援の目的や方針は団体によって違うのだが、受けている側としては、自分が虐待やDVなどの困難を抱えていることに気づく前に搾取されまくって取り返しのつかないことになってしまったり、自分がされたように誰かを傷つけてしまったり、出産して虐待する側になってしまったりすることを防ごうとしているように思える。

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私は親から逃げていてTHE支援対象者になるため、そういうところにごはんを食べに行くことが多い。それもあと1年ちょいしかできない。そういう支援が始まったのが最近だからとはいえ、タイムリミットが目前だと、それまでに自分で人生なんとかしろと言われているようで辛い。コロナの五類移行や法律の施行など、タイミング的な問題ではあるとはわかるのだが、30代以降の生きづらさは自業自得だと言われているようにも感じてしまう。実際は30代になっても解決しない、対処できないのはもう一筋縄ではいかず、ガチガチの専門家が必要になってくるからというのもあるのかもしれない。

婚活パーティーも若年女性支援もかがみよかがみも、20代というだけで享受できる。そこに胡座をかいていると30歳になった時、追い出された、見捨てられた、奪われたと感じるのかもしれない。享受に甘んじず、能動的に動いていれば、この場は卒業と感じることができ、次のステップにと舵を取れるのだろうか。約1年後、そう思えるように、まずは目の前の1日1日を大切に過ごしていきたい。