私の友達の1人のA子について書きたいと思う。
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彼女との出会いは、中学3年生の時だった。
同じクラスになるのは初めてで、遠くから見てる時には綺麗で大人しいけれど、天真爛漫な感じがあり目を引く子だなと思っていた。
私と同じくクラスの中心にいるようなタイプではなく、仲良くできそうかもと密かに期待した。
私は毎年クラス替えには運がなく、中学2年生で同じクラスで仲が良かった友達とは、中学3年では一人も同じクラスになれなかった。また1から人間関係の築き直しだと落ち込んでいた。
クラスの他の女子はもうすでに関係性が出来上がっていて、部活の友達同士でできたグループもあれば、マドンナ的存在が集まったグループもあったり、引っ込み思案の私はどのグループにも今から入れそうになく、孤立しかけるかと思った時だった。
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A子ともう1人、後に仲良くなるB子が話しかけてきてくれたのだ。
絆創膏を持っていないかと聞かれた。 私は絆創膏を必ず持ち歩いているような淑女的キャラに見えたらしく、その時運よく絆創膏を持っていたかどうか忘れてしまったのだが、それがきっかけでその後ずっと一緒にいる仲になった。
2人のおかげで中学3年生は思い出に残る良い年になった。
結局A子とは高校3年生でもう一度同じクラスになり、大学生の時には沖縄に旅行に行き、大学卒業後は一時期疎遠になっていたのだが、つい最近再会することができた。
今では長期休み毎に会う仲に復活した。
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A子と仲良くなってみて最初の印象が変わったかと言うと、良い印象が加わった。
控えめで大人しいという印象はそのまま変わらず明るく、よく笑うというものが加わった。 また目を引く存在だと思ったのは所作が美しいことに起因しているということに後から気づいた。お箸の持ち方や身のこなしが洗練されている。
しかし家が中学の近くということもあり、始業時間ギリギリまで寝ていて走って登校しているということを聞き、普段のおしとやかさとのギャップに驚いたのもいい思い出だ。
自分の考えにしっかりした軸を持っているので、周りの目を気にせず、集団行動の中でもいい意味で空気を読まずに行動できる彼女が羨ましいと思ったことも多々あった。
クラスの中で大人しい人と認識されていたので、A子は運動神経がいいことがあまり知られていなかった。特にバドミントンのセンスは抜群で、あまり強くないだろうと思って挑んだテニス部の子がA子の手腕に翻弄されていたところを見て、なぜか私が誇らしかった。
また音楽のセンスがあり、幼少期からやっていたピアノだけでなく、色んな楽器が弾けたり 吹けたりした。それを鼻にかけることなく、いつも控えめな彼女が大好きだ。
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最近再会したA子は、結婚して環境が変わったと言っていたが、昔の芯の強さは変わっておらず嬉しかった。
先日会った時に、気恥ずかしかったが、中3の時A子に助けられてどれだけ感謝してるかということを言葉にしてみた。
私も中3が一番楽しかったと返してくれて本当に嬉しかった。
この縁が続く限り、これからも彼女との交流を大切にしたいと思う。