不安と恐怖が強くて眠れない。眠れないなら、ちょうどそういうテーマのエッセイが募集されているので夜な夜な執筆でもしようか。そう思って、起き上がろうとしたが無理だった。

体は眠りを欲しているのでフラフラだ。無理に起き上がろうとしたら転んだりしそうなのでやめておこう。そもそもエッセイを書けるような状態だったら、もうとっくに眠れているのだ。

私は休職中の職場から急に呼び出しの連絡が来て、不安と恐怖に襲われ、眠れないでいる。ぶっちゃけ職場に行けるのなら、仕事しているし、行けないから、休んでいる。そう伝えられたらどんなに楽だろうか。

でも、これらは言い訳とか、屁理屈とか、わがままと片付けられてしまうだろうから、あまり言えない。

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こうして眠ることも活動することもできず、不安や恐怖に心がフリーズして夜が更けていく。ゴロゴロしながらできることはスマホをいじることくらいで、こうして眠れなさに拍車がかかっていく。

スマホで何をしているのかというと、パズルゲームとツイッター(現X)だ。私は病んでいると、とにかくパズルゲームとツイッターに励んでしまう。不安など、感情を司っているのは右脳だ。病んでいると右脳がフルスロットルしてオーバーヒート状態になる。

右脳はショート寸前、今すぐ休めたい。そのために左脳を使う作業を本能的に求める。

私の場合これがパズルゲームなのだ。誰とも交流せず、ポイントが貯まるわけでもないただのパズルゲーム。何の意味もなさないというところがのめり込むポイントでもあるのだろう。ツイッターは多分、いろんな話題がぽんぽん流れていくので、良い具合に気が紛れるのだと思っている。

そうして夜が明けていく。朝方、一時間ほどだけ寝落ちした。寝不足の体では、疲れすぎていて思うように休むこともできず、熱中症が怖くて外出もできず、無為な一日を送った。

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こういう「何々ができたら、もうすでに何々やっている」、「それができないから、今この状態」みたいな物事が世の中には意外と多い。

障害年金の請求もそう。「こんなんできたら障害年金必要ないくらいには働けてるわ!」とちゃぶ台をひっくり返したくなるくらい、全てにおいて難しかった。私にはちゃぶ台をひっくり返せるほどの筋力もないのだが。社労士さんに丸投げしてしまえばよかったのかもしれないが、社労士さんを選ぶのにも気後れしてしまって、かかりつけ医のところのソーシャルワーカーさんと二人三脚で何とか仕上げた。二人三脚どころかおんぶに抱っこだったかもしれない。無事に書類を提出できて、今は審査を待っている段階だ。

だが最近、障害年金の審査が厳しくなっているようなので、多分出ないだろうくらいに思っておかないといけない。年金がダメならば生活保護がそのうち選択肢に上がってくるだろう。

年金ならば、体調に合わせて働いていこうと思えるし、実際、体調に合わせてなら働けると思うのだが、生活保護だと制限が多すぎて働く気など起きない気がする。生活保護から抜け出すのが難しいと言われる理由はここだろう。医療費扶助(生活保護受給者は医療費が無料)など生活保護の方が行政側の負担が多いような気がするので、年金の支給を渋るのは得策じゃないのでは、と思うのは私だけだろうか。

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こんなことを考えて現実逃避をして、喫緊の課題である職場対応は遅々として進んでいない。むしろ向き合いたくないがために他のことに精を出している気もする。

それは今に始まったことじゃなく、休職中は常に職場のことが頭のどこかにあるのに、気をそらせて、ごまかして、回復しているふりをしている。

職場のこととなれば、いつだってあの頃のように体調もメンタルも逆戻りしてしまう。現実逃避しているうちはいい。もう逃げられないとなったとき、ちゃんと職場から逃げることが、つまり退職することができるだろうか。

向き合うことが苦痛すぎて、生きることから逃げるのだけは避けたい。