少し前に「外見至上主義」について取り上げられているテレビ番組を偶然、かけた。わたしは、外見至上主義には否定派である。健康的な食生活をすることや、適度な運動をすることはもちろん大切である。しかしながら、睡眠時間を削ってレッスンをしたり、栄養バランスの悪い食事をしたり、ハードなトレーニングをしたりしているK-POPアイドルを見て、そのほっそりとした容姿に憧れを抱いてる女の子は多いと思うが、果たしてその美意識は正しいのだろうか。その弊害として、生理が何ヶ月もこなくて止まってしまったり、ストレスや不規則な生活で自律神経が失調してしまい、涙が止まらなくなってしまったりする人もいるらしいので、過度なダイエットは、本当に恐ろしいなと感じる。

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また、整形に1000万円以上費やしたという、元キャバ嬢の双子のお母さんのYouTubeをたことがある。整形する順番を間違えて整形費用が増えてしまったこともあるらしいが、それでも1000万円という莫大な金額に驚いた。また別の整形がやめられなくなった人の話では、メイクにも旬や流行りがあるため、左右の切れ目も深くオーバーリップに見えるような唇の整形をしたそうだが、ひと昔前の印象を与えるため、自分自身の古くさい唇が嫌で、今風の唇になるように、また唇の整形を検討しているそうだ。整形顔として批判されることもあれば、若い女の子からの憧れの的となることもある。整形までいかなくてもボトックスやヒアルロン酸注射、白玉点滴をしている人は珍しくない。今では、わざわざ渡韓しなくても日本の美容クリニックで、さまざまな施術を受けることができる。整形をすることで自分に自信を持てるのであれば、やった方が人生がより豊かになるかもしれない。しかし、そもそも外見至上主義が広まっていなければ、一重であっても、エラが張っていても、色黒であっても、鼻が低くても、それを個性として認めて、活かしていくような風潮であったかもしれないと思ってしまった。

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職場にも年末年始の休暇やお盆休みの期間を利用して、二重整形をした同僚が何人かいて驚いた。わたし自身はというと、医療ミスや顔にメスやボルト、糸を入れることが怖くて整形する勇気もなく、美容クリニックにお金や時間をかけることに否定的な家庭で育ったため、まだ経験はないが、それでも学生時代から脱毛はしていた。社会人になった今も、脱毛は完全に完了したわけではないが、学生時代にお金(親に出してもらっていた)や時間をかけていることを馬鹿らしく感じていたが、周りの目が気になって自己処理をして肌を傷つけてしまっていた時期もあった。女性であっても体毛が生えていて当たり前、という風潮なのであれば、わたしは喜んで自己処理はしなくなると思う。

10年後は、たとえお腹がぷにぷにしていても、胸が小さくても、カラコンを入れていなくても、メイクをしていなくても、女の子が他人の目を気にせずに、街を気軽に歩けるような社会に、少しでも近づいていることを切に願う。