10年後の社会はどうなっているのだろう。科学技術は間違いなくもっと発展を遂げているだろう。ただ、残念だけど、男女格差を含む慣習的なものは今とあまり変わっていないと思う。

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その理由は2つ。1つは、10年経っても男女格差の考えをもっている年齢層の方々がまだまだいるから。女の子なのに、女の子だから……。こう思い、発言する方々がいる限り、社会構造の変革は見込めまい。私自身、このような言葉は昔のものだと思っていたのに、今まで何度も耳にしてきた。それらは私に向けたものもあったし、重くのしかかって決断を遮るものもあった。残念だけど、このような言葉がある限りは女の子の自由は実現し難い。
もう1つは、男女には生物学的に不変の格差があるから。能力も考え方も人生設計も、全然違う。

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男子は強い。これは私が受験生時代に痛感したことで、認めざるを得なかったことだ。私の高校では、2年次から文理でクラスが分かれる。私の代の理系クラスの男女比は、半々くらい。初めは、真面目な女子が結構上位をキープしていた。理系でも女子はやっていける。コツコツやっていけば大丈夫。なんだ、格差なんてないじゃん!って、思ってた。
でも、3年生になって部活を引退してからの男子の伸びは、半端じゃなかった。まず、やり込むための体力がある。限られた時間の中で効率的に伸びていく男子は、やっぱり強い。また、個人差はあるが、メンタル的に強い。女子はどうしても、不安になりがち。それが重要な時ももちろんあるが、不安になっても仕方ない受験においてはやはり、がむしゃらに努力できるほうが強い。そしてなにより、男子は体調が安定している。生理もこなければPMSもない。精神的にも身体的にも、一定のパフォーマンスを発揮できる。
そんな男子たちの伸びに感心しつつ、とてもとても悔しかった。今まで私の方が上だったのに。あの人たちはそんなに勉強してこなかったのに。どうしようもないことだけれど散々悩んだ。やっぱり私には無理なのかもしれないと何度も思った。

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最終的な結論は、違いを受け入れることだった。とはいっても、決して諦めるわけではない。前からコツコツ努力してきたことで得た英語力や文章力、実績を最大限に利用し、苦手な数学をカバーすることで伸びてきている男子達に食らいついた。そしてなんとか志望校に合格し、今に至る。そして今も、相変わらず理数系は理系のくせに苦手。でも、文系科目やレポートを頑張って評価を稼いでいるし、一夜漬けができないのでコツコツやっていることが後々生きてくるのではないか、と思っている。

10年後の女の子に伝えたいことはつまり、男と女は違うけど女だからって諦めなくていい、ということだ。女の子にしかない強みだってたくさんある。私のそれは、コツコツ頑張ることや文章力、計画力だった。自分なりの強みを見つけ、それらをフルに使って、体力とかいうちょっとした特殊能力をもっている男子に果敢に立ち向かってほしい。