人間関係ってエネルギー消費激しすぎない?
世界が広がったのか、自分の総HPを侮っていたのか。
いずれにせよ、2024年は多くの人と関わらせていただいた一方、人間関係を構築するというのは膨大なエネルギーが必要であることを実感した。
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元々コミュニティに所属する事が苦手な自分。
深い人間関係の構築など全くもって得意ではなく、人生のステータスが変われば、それまで関わった人たちとの関係を全てリセットする勢いで、人間関係を継続させることが苦手だ。
関係を継続するよりも繋がることの方がエネルギーを必要としない時代の風潮に乗っかるように、人との非常に浅い関係を築いてきた。
そんな私が、膨大エネルギー消費を分かった上で人間関係を掘り下げた出来事がある。
「秋に短期でお休みを貰おうと思う」
「へえ〜そうなの?なんで?」
「気球の大会に出ようと思って」
「あ、そうなんだ」
同期が有志で気球に乗っているのは知っていた。
長期休業を使って大会に出ていることも知っていた。
しかし有給ではなく休業で大会に出ることには驚いた。
「それで、もしよかったらなんだけど」
そう言って彼女の口から出てきた言葉にすぐに回答はできなかった。
思えばそこから少しずつ関係に黒い絵の具が落ち始めたのかもしれない。
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「大会出場応援プロジェクト」
短期休業の許可を得るために始まったこのプロジェクトへの参加打診。
国家試験の受験真っ最中ということもあり、正直参加することに前向きではなかった。
それでも、頑張る同期を応援すべく、できることだけやるを約束にメンバーとして参加することにした。
応援のためのTシャツやグッズを作成したり、広報のための資料やポスターデザイン作り等、想像以上の活動量に黒色が広がっていったのはいうまでもない。
途中で言えば良かったのではと、自身の意思表示にも落ち度はあるが最後まで完遂したいという思いの方が強く、なんだかな、という思いを抱えたまま刻々と時間だけが過ぎていった。
それでもその時は確実に近づいてきた。
「別の大会に出るから、2週間くらい会社休むね。その間のプロジェクトの進行頼むね!」
「え?」
そう言い残して彼女はプロジェクトの進行を丸投げしたまま、別の大会へと出場しに会社に来なくなった。
「これどういうこと?」
「やっぱりそう思いますよね」
手伝ってくれていた先輩たちもプロジェクトの途中で当事者が不在になることを知らず、同期の私に声をかけてくる日々が続いた。
自分の余裕がない中で、抱えきれなくなった私はいっそのこと放棄してやろうか、そんな想いもよぎった。
それでも、国家試験の勉強を共に行い切磋琢磨する仲間であり、仕事に対する理解者の一人でもあった彼女との関係を簡単に切る事ができなかった。
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「今後の方向性について話をしたいからオンラインMTGできる?」
プロジェクト、彼女に対して抱くメンバーの不満をオブラートに1000枚ほど包んで共有しオンラインMTGの調整を行った。
「ごめんなさい」
彼女の謝罪から始まったMTGで私は最後だけ言葉を発した。
「あなただからみんな時間を惜しんでも協力してるんだよ。有志とはいえ、人に時間を使ってもらっていることを考えて行動した方がいいよ」
自分の心の内を言葉にしたのは本当に久しぶりだった。
額から背中から、汗が伝う感触を感じる。
「ごめん、ありがとう」
画面に映る彼女は数秒上を向いたあと、メンバーにもう一度謝罪した。
あの一言がなければ、途中で終わっていたかもしれない。
そんなメンバーの声を聞いて、言葉にして良かったと心の底から思った。
戻ってきた彼女とはメンバー含め最初は微妙な空気が流れたが、時間がそれらを緩和していった。紆余曲折あったが無事大会終了まで走り切る事ができた。
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人は誰しも過ちを犯す、例外なく自分も、だ。
それを指摘された瞬間は、正直ショックだろうと思う。
実は指摘する方もショックを受けるエネルギーと同じくらい勇気がいる。
そこで素直に認め修正を図ることが、人間関係が軽い現在における深い人間関係の構築に進む一つの道なのだと思う。
今回は言葉を発する側だったが、発せられたときは彼女のように素直に認め修正できる素直な人間であることを心がけて、少しずつ深い人間関係の構築を行っていきたい。