私が後悔していることはネガティブな言葉を口にしていたことで、よかったことはポジティブな言葉を口にしたことだ。

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心理学で使われる用語に「悲観バイアス」があるように、前もってネガティブに考えることで良くないことが起きるリスクを減らすことができるし、常にポジティブでいることは簡単なことではないため、「考えない」のではなく、「口にしない」ようにしている。口にしなければ誰かの耳に入ることもないため、ネガティブな言葉を聞くことによる影響は少ないのではと考えるからだ。反対に、ポジティブな言葉は口にすることで自分も周りも明るくさせることができると感じる。

私は高校生まで、自他共に認める悲観的な人間であった。ネガティブであっても周りに恵まれ、充実した生活を送っていたため、こうした思考を変えようと思うことはなかった。

中学生の頃、とても明るい子と仲良くなった。その子はいつも笑顔で、周りを笑顔にし、皆に好かれていた。周囲からどう見られるかが気になる年頃であった私は、その子のように明るくなりたいと感じたこともあったが、小学校からの知り合いも多い中学校で、急に態度を変えることへの恥ずかしさから、何もできずにいた。

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高校に入り、私に似た、ネガティブな思考をする子と仲良くなった。今までとは異なるタイプの友人だったが、性格が私と似ている部分も多く、すぐに仲良くなった。その子は物事を深く考えるが心配性なため、ネガティブな結論になり、落ち込むことも多かった。その子は表向きは明るく振る舞っているため、ネガティブな部分は特に親しかった私や家族にのみ打ち明けていた。私は彼女にとっての数少ないの存在であったことは嬉しかったが、彼女の話をき、励ますために前向きな返答をしても、ネガティブに否定される日常に何とも言えない感情を抱いていた。

そんな時、ふと、今までの私はネガティブであり、周りの人達もネガティブにさせていたのでは、口に出すことで耳からネガティブな言葉が入り、私自身もよりネガティブにさせていたのではと考えるようになった。それからの私は、自分を変えようと意識した。大幅に言動を変えることは難しかったが、徐々に「ネガティブな言葉を口にしない」から「ポジティブな言葉を口にする」に変えることができた。意識できる言葉と共に無意識の思考も、ネガティブからポジティブへと変わることができ、楽しいと感じることも増えた。

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そんな私も現在は大学に入り3年が経とうとしている。様々な場面で色々な方々と出会うことが多くなったが、「いつも笑顔で素敵だね」や「〇〇さんがいると明るくなれる」などの言葉をいただくことが増えた。そのような言葉は高校までは言われたことがなかったため、ポジティブに変わってよかったと感じる出来事の一つである。

私は今後もネガティブではなくポジティブな言葉を口にし、心から楽しいと感じる生活を送っていきたい。