同世代に比べて貯金はあるほうだ。でもそれは、決して節約したり、こつこつ貯めてきたという訳ではない。結果的に口座にお金が残っていただけだ。実家暮らしが長く、生活費はいっさい家に入れていなかった。その結果、あまり出費がなかったのだ。

だが昨年から彼と同棲を始めてから、私の金遣いの荒さが露呈した。口座残高がみるみる減っているのだ。

◎          ◎

大きな出費はしていないから大丈夫と、たかを括っていた。車も中古の安い乗用車に乗り、ブランドものにも興味がない。趣味はあるが家でひっそり楽しむ程度で、釣りやキャンプなどのお金のかかるものでもない。にも関わらず、お金はどんどん減っている。

そうして振り返ると、私にはまるで「節約」という概念がないことに気づいた。

一人で外出すると、空き時間には迷わずカフェに入る。カフェでコーヒーを飲みながらゆったり過ごすのが好きなのだ。時間が経てばコーヒーをおかわりするし、軽食だって頼む。同じコーヒーを飲むならファストフード店やファミレスでもいいのに、わざわざ毎回、雰囲気の良いカフェを選ぶ。

◎          ◎

またある時は秋葉原のメイドカフェに行く。せっかく秋葉原まで来たのだからと、メイドさんとの2ショットのチェキを2枚撮る。更には別のメイドさんにも会いに行き、そこでもまたチェキを2枚。決して高価な訳ではないが、毎回ワンドリンク制でかつ入場料もかかるので、一日に何度も行くのは安くは済まない。

更には交際費。友達は多いほうではないが、一対一で会う友達ばかり。大人数で一度に会うのと違い、都度交通費も食費もかかる。

こうした生活を変える気持ちがないのなら投資でもして増やせばいいのだろうが、私はお金絡みの難しい話が大の苦手。得意な人はあまりいないだろうが、その中でも特に私は苦手なのだ。どのくらい苦手かというと、彼に株の話をされて聞いていたら、あまりにもキャパオーバーになってしまって涙が出てきたほどだ。

◎          ◎

そんな私も、何も対策を考えていない訳ではない。

口座にお金があるから何も気にせず使ってしまう。だから別の貯金用口座を作り、給与天引きで自動的に貯金できるようにした。

更には新NISAを始めた。知識がほとんどないので、顔馴染みの銀行員の方のおすすめの銘柄にそのまま投資することにした。

こうして言葉にしてみると、社会人としてごくごく当たり前のことしかやっていないことに気づく。読んでいる方はさぞかし呆れたことだろう。だがこれも私にとっては大きな一歩なのだ。貯金と投資を始めたのが社会人5年目だとしても。

◎          ◎

こんなどうしようもない、お金にだらしない私でも、お金を貯める目的がある。彼と結婚し、家を建て、子供を産むためだ。

お金を貯めることが全てではない。お金があっても不幸な人や、貧しくても幸せな人は沢山いるだろう。でも私の求める幸せに、ある程度お金が必要なことは明白だ。私は少しずつでも節約をして、お金を貯めて、幸せを追い求めたい。

だから今日この原稿を書くためにファミレスに来て2000円使ってしまったことは、内緒だ。