私は2025年に29歳になる。

数年前の私には彼氏もいなくて、同じ独身仲間の友達と合コンに行ったり、友達に紹介してもらった人に会ったりと忙しく出会いの場に行っていた。そして、そういう場所に行くたびに 「いい人いないね」 「もういい人なんて残ってないんじゃない」 と笑いながら文句を言っていた。

それもそれで楽しかったが、私は初対面の人と飲んだりすることがそれほど得意ではなかったので、出会に行くことに疲れも感じていた。

そんな日々が続く中で、なんとなく、私はきっとこんなふうに友達と遊んで、仕事をして1人で生きて行くのかもしれないなと思い始めていた。

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私には、誰かと一緒に住んだり、関係を築いていったりすることが向いていないと漠然と感じていた。それでも、仕事は当然のように辞めたかったし、同じ日々の繰り返しにもだんだんと飽きてきて、誰でもいいから私を今とは違う世界に連れていってくれないかと思っていた。

そんな私にも突然の出会いというものがあり、27歳の頃に友人の結婚式で知り合った人と付き合うことになった。その人とは遠距離で、飛行機に乗らないと会えないという関係で、どうなるもんかと思ったけど案外ストレスなく関係が進んでいった。

というのも、多分私が恋人という存在にドライで、寂しいという気持ちがあまりなかったために特にトラブルもなく付き合っていけたのだと思う。 1ヶ月に一度会うくらいが、自分の時間も友達との時間も大切にしたい私にとって都合が良かった。

彼もマイペースな人で、信頼できる人だったので何の不安もなかった。

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そんな彼とも1年の付き合いになる。お互い年齢的にも結婚を考えていることは確かだった。付き合っている時は気楽でいいが、いざ結婚という話が出ると急に考えることが増える。

数年前の私はあんなに、『誰でもいいから結婚して、私をこの日常から連れ出して欲しい』なんて思っていたのに、いざ結婚の話が出て、私が彼の住む所へ行かなくてはいけないという状況が現実味を帯びていくと『わたしは本当に結婚がしたかったのか?』という考えが頭を支配し始めた。

これがマリッジブルーというものなのか?と思いながら、向こうの両親に挨拶、自分の親族への紹介、引っ越し準備、転職、知らない土地での暮らし、お金のこと、出産、これからの人生のこと……という様々な問題に、お気楽でおひとり様を満喫していた小さなの脳みそはパンク寸前だった。

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もし、自分が考えるより結婚っていうものがいいものじゃなかったら?
向こうの土地での暮らしが合っていなかったら?
親戚付き合いが苦手な私が、向こうの両親とうまく付き合っていけなかったら?
結婚って、問題が山積みで、楽しいことなんて一つもないんじゃないか?

最近はそんなことばっかり考えてしまっている。

29歳という年齢的にも、結婚ができるという事実は大きな心の安心材料なのだが、そんな世間や親戚からの目を気にしてするものだったか?結婚って。

ほんとうは、私がしたくてするものだったはずだ。でも、ぐるぐる考えているうちにそれが本当に私だけの、純粋な気持ちだったのかわからなくなってきた。

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それでも、結婚をしないという選択肢は後悔を生むことだけはわかっていた。ずっと1人で生きていくことは、望んでいないことは確かだった。

だから、2025年29歳の年に私は結婚をする。そして、私の心にある不安を一つずつ潰せるようにする。 1人でできないことは、これから一緒に生きていく人にも頼れるようにする。

私はどちらかというと、マイナスな方に物事を考えてしまうことが多いから、良いことにも目を向けられるようになろう。自分でも自覚があるくらいに私は子どもで、世間知らずだ。苦手なことがたくさんある。めんどくさいことが苦手で、難しいことは考えなくない。

でもきっと、そんな所も少しずつ変えていかなくてはいけないのだと思う。

後悔がないように、大好きな人たちにもたくさん会おう。やりたいことを、やれるような努力をしていこうと思う。