自業自得で陥ったもやし生活。やっと痛感するお金への責任感
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2月に28歳の誕生日を迎える私だが、未だにお金に対する責任感を持っていない。
同級生は結婚して世帯を持ち、子育てや通勤のことを考えた上で自分たちの住む物件を買ったり借りたりしている頃。
私はというと物件は自分の都合だけで選べる上に、自分の心地よい環境づくりに勤しむばかり。
そのために、他人と同居しなければならないという息苦しい選択からどんどん遠ざかっていく......。
大学進学を機に上京することを決めた時、母から学生マンションに住むか、学生寮に入るかの選択を迫られた17歳の頃の私。
我が家ではお小遣い制ではなく、毎年1月にもらうお年玉をその1年を通して上手い具合にやりくりして使うルールが導入されていたため、こんなタイミングがあるまでは「うん十万円」といった単位には触れる機会がなかった。
「リサちゃんが大学に行くんでしょ?住む場所は責任を持って自分で決めなさい」と母に言われ、学生マンションを3軒、母推奨の朝食・夕食付き、光熱費込みで毎月5万円で済む学生寮1軒の家賃を比較することになった。
これまで中学受験も習い事も全部母の指示に従ってのらりくらり過ごしてきた私にとって、この4軒の選択肢の中で“正解”はひとつだけ。
とりあえず母の顔色をうかがって学生寮へ入寮することを決めた。
親の金銭面や見知らぬ土地での安全面に配慮した結果、不都合が生じれば母に責任転嫁できるような“あんぱいな決断”だったと振り返る。
なぜお金に対する責任感を持っていないのか?
それはきっと幼い頃に節約を余儀なくされるような生活をしてきて身についた「お金による制限」、そしてその制限を受けなければいけないという不条理を嘆く「他責思考」。
この2つが今の私を私たらしめるものとしてしまって今に至る。
つい先日、前月と当月のお財布事情を鑑みていなかった私は次の給与が入る前に食費が底をつきそうになるという事態に陥った。
「電気代が引き落とされる日が毎月バラバラ!そのせいで生活費の計算が狂った!」と、食費が底をつく事態を電力会社のせいだと嘆く始末。
その事情を彼氏に話すと「リサはカフェに行く回数が多すぎる」と痛いところを突かれてしまい、それを機に無計画にカフェ巡りをすることは自粛せざるを得なくなった。
「お金による制限」が発生してしまう余裕のない懐事情、これまでなんとかやってきていた「他責思考」によって陥った自業自得な状況。
そんなわけで自身の怠惰が祟って今月は節約生活を余儀なくされている。
大好きなカフェに行くのをグッと堪え、昨日も今日も蒸したもやしにゆずポンをかけて食べている。
「責任感はこうして痛い目に遭わないと湧いてこないものなのだな」と、自身の馬鹿さ加減に呆れながら懐事情と朝晩が寒すぎた年の瀬の出来事だ。
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