「俳句、得意かも?」勘違いを正すため、500円を手にいざ教室へ
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2024年の年末、家で1人でテレビを見ていた。特に見たい番組はなかったものの、まあコレにしとくか、と落ち着いたのは普段は見ない「プレバト!!」だった。ご存知の方のほうが多いだろうが、文学や芸術など幅広い分野に芸能人が挑戦し、専門家が順位をつけるという内容である。そのなかでも人気なのは、俳句コーナーだ。査定員として出演している夏井先生のことは、普段番組を見ていない私ですら知っている。私がチャンネルをまわしたときも、ちょうど俳句コーナーをやっていた。
芸能人の句にアレコレと指摘する夏井先生を見ながら、思った。「コレ、私得意なんじゃないか……?」と。
いや、分かっている。多分この番組を見ている多くの人は、そういう感想を抱くのだろう。実際にやっていないからこそ出来るんじゃないかと錯覚してしまう、というケースだという自覚はある。しかし、見れば見るほどやれそうな気がしてきた。
こんなにやれそうな気になってしまったからには、やってみるしかない。これが錯覚なんだとしたら、尚のことやった方がいい。錯覚だったと知らしめられる機会を作らなきゃ、今後一生「私って俳句得意な気がするんだよね♪ やったことはないけど♪」などとのたまう恥知らずとして過ごすことになってしまうのだから。
そんな思いから、通えそうな距離で開かれている俳句教室を探し、500円の初回体験に申し込んだ。奇数月は講座メイン、偶数月は句会です、とのことだったため、ちょうど良い。直近の1月のレッスンで申し込んだ。
そしてそのレッスン日が、まさしく今日だったのだ。
楽しかった。とても。参加者は私含め9名で、それぞれの暮らしや考えがにじんだ句とその説明が聞けたのはすごく、楽しかったのだけれど。なんか、私、ここにいていいのだろうか……?という不安が、うっすらと在り続けた。平日昼間のレッスンだったこともあってか、参加していた方は皆50~70代という感じだった。その上で、先生は非常に優しく、年齢が離れた体験の私にも気を遣ってくれて。そのことはとてもありがたかったのだけど、なんか逆に申し訳ない気持ちにもなった。
あと、受講してみて分かったけど、俳句というのは詠み手の生活や価値観がダイレクトに現れるもので、その点も不安に思った。私1人だけ年齢が離れていることで、元々いる参加者の方たちを不快にさせるような句を作ってしまったらどうしよう。悪意を持たなくても、気をつけていたとしても、私なら起こしてしまう可能性があるように思えた。
せめてもう少し、年齢が近い人が多い講座があれば。土日か平日の夜に開講されるコースなら、もっと若い人もいるのだろうか。検索すれば教室はたくさん出てくるけれど、実際の雰囲気は行ってみないとわからない。上半期、出来れば春くらいまでに自分に合った講座に出合うことが、今年の目標だ。
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