私はバイセクシャルである

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バイセクシャルとは、いわゆるLGBTQ+におけるBであり、異性・同性両方に惹かれる性的指向だ。

自分自身がそうであることを理解し、受け入れてきた。しかし、私の心の中にはひとつ大きな悩みがあった。それは、私に同性の恋人がいるという事実を周りの友人に隠し、彼氏がいると嘘をついてしまっていることだ。友人がどのように反応するか、そして私含め彼女がどのように受け入れられるのかが不安で、つい嘘をついてしまった。しかし、その選択は思った以上の辛さを、私にもたらしたのだ。

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嘘をつき続けることは、心に重い重い荷物を背負い込んでいくようなものであった。彼女との楽しい時間を友人に共有したくてもいつも踏みとどまってしまう。

「彼氏いるの?彼氏とは最近どうなの?」

こう問われる度に、私は言葉を選ぶために一度深呼吸をする。そして心の中で悩みながら作り上げたそれっぽいストーリーを語る、この繰り返しだった。彼女との幸せな思い出や感情を隠すことは、私自身を否定するような行為であり、心がどんどん塞ぎ込んでいくのを感じた。周りの友人と同じ恋愛トークをしているはずなのに、自分だけが周囲とは切り離された別の人間の様に思え、孤独感に苛まれた。

また、自分には”彼氏’’がいると嘘をつくことによって、自分の世間体を守るためだけに大切な恋人である”彼女”の存在を否定し蔑ろにしてしまっていることがとても腹ただしく、彼女に対しての罪悪感からどうしても自分を許せなかった。

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昨今の日本社会では、LGBTQ+の理解が進みつつはあるものの、実際はまだ偏見や誤解が存在する。幸運なことに、私はたくさんの良い友人たちに囲まれているが、それ故に自分の性的指向が受け入れられずその友人たちとの間に距離ができてしまったらどうしようという不安が常にあった。

その一方で、彼女との関係は私にとってとても大切なかけがえのない心の支えであり、その愛情を周囲に示したいという気持ちもどんどん強くなっていった。

葛藤の末、彼女を「彼女」として紹介することを決意した。自分の正直な感情を友人に共有したいと思ったのだ。周りの反応がどうであれ、自分が傷つくことになったとしても自分を偽ることはもうやめたい。自分を大切にするためには、まず自分の心に正直になるべきだと気づいた。

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ある日のこと、仲の良い友人とゆっくり話す機会があった。緊張しながらも意を決し、自分の恋人が同性であることを告げることにした。

「実は、彼氏ではなくて彼女がいるんだ」

友人は一瞬驚いた顔をし、私にもその機微が伝わってきた。心臓の鼓動が早くなり、手のひらに汗がにじんだ。しかし、その後友人から返ってきたのは意外な言葉だった。

「そうなんだ!どんな人?ホントの事教えてくれてうれしい!」

その反応に、私は心からホッとした。そして、その瞬間に、私の心の中にあった鉛のような冷たく重たいものが少し軽くなっていくのを感じた。 

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もちろん、全ての友人に打ち明けたわけではない。しかし、私の素直な気持ちを大切な友人に受け入れてもらったことがうれしかった。

そこで私はひとつ気づいてしまった。私は自分を守りたいが故に、大切な友人達のことを信じることができなくなっていたのだ。本当のことを話したら離れていってしまうかもしれないという私の思いこみは、裏を返せば「その程度で破綻する友情」だということになる。

もちろん、私のことを受け入れないなら友達じゃない!なんていう過激な思想を持っているわけではない。私が友人とこれまで積み重ねてきた絆を信じていれば今までのような不安を持つ必要も無かったのだ。

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これまで抱えてきた不安や恐れを乗り越え、自分自身を顧みることができた今、私は本当に幸せだと感じる。私と彼女との関係を公にすることで、周囲の人間も私たちのような人々を理解し受け入れてくれることを願っている。

そして、私自身も他人に対してオープンであることの大切さを学び、他者を理解し受け入れる姿勢を持ち続けたい。

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私にとって、2025年は新たなスタートの年だ。

周囲へのカミングアウトを初めて行うことができた2024年、嘘をつかず素直に生きることの素晴らしさを知った。2025年、自分自身を大切にしながらも彼女との関係をより一層良いものにしていこうと決意した。

自分を偽らずに誇りをもって生きることが、私の人生を豊かにすると信じている。私の選択、私の感情、私の人生を大切にし、これからも前を向いて進んでいこうと思う。