2025年。私は、私のことを1番愛して、1番労って、1番可愛がる年にする。

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昨年は、「自分で決める元年」と銘打って、心の底から納得感のある決断を目指していた。その結果、人生初の1人暮らしが始まり、24時間を自由に使えるようになった。1人で暮らして気付いたことは、私はてっきり人と暮らすことが得意だと思っていたけれど、それはまやかしだったということ。

実家では姉妹と同じ部屋で勉強し、大学4年間は寮生活。卒業後すぐに同棲生活が始まったが、致命的なトラブルはなかった。ただそれは、衛生的に問題がないとか、そういう生活のいち側面においてだけだ。通知表に「周りのことをよく見ています」とか「協調性があり……」と書かれてきた生粋の調和メイカーは、知らないうちに心のどこかを擦り減らしてきたのだと思う。

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そんな私が今年掲げる目標は、「私が、私のことを1番愛して、1番労って、1番可愛がる」。いくつかの事情が重なり、1年前に別居を決意した相手と再び寝食を共にすることになった。2人暮らしの楽しさも知っている。それなのに、一度大空を飛び回ってしまった鳥は、鳥かごに戻れない。

不安の種は、1人暮らしであればテキトーにやり過ごせていた「自分の機嫌は自分で取る」が、心を許せる相手がいると難しいのではないかということ。不安を取り除くように、私のために、相手のために、できることを考え続けている。

警戒すべきは、生理前。情緒不安定が盛り上がってくると、グワングワン上下する怒りや悲しみを耐え抜くことに全集中する必要がある。我慢して我慢して、それでもこぼれだしてしまう100分の8くらいを相手にぶつけ、八つ当たりしたことを号泣謝罪するのが毎月のルーティン。
1人暮らしでは、予兆を捉えると人と会う約束をキャンセルし、やり過ごせていた。ショート動画をひたすらスワイプし続け、脳みそを擦り切れさせて眠りにつくのがベストだと気づいたから。何も考えてはいけない。誰にも連絡してはいけない。

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木曜日も要注意だ。毎週月曜〜水曜に、体力に任せて必要以上にハイテンションでタスクを処理してしまう。その結果、副反応のように木曜夜に廃人になるのだった。週の真ん中、水曜日に意識的に頭と身体を休めることで、週末まで元気でいられる。

この、「休みたくなくても休む」が案外難しい。気まぐれ故に、仕事も家事も「やれる時に全部やる」で私の世界は回っている。周期的に休むことを意識して、明日のために眠れる私にならなくては。

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パッと思いつくだけでも、これだけのことを自分に課さないと同棲生活を楽しみに思えない。その事実に嫌気が差す。もうちょっと生き物として完成度の高いものをリリースできなかったか?と、生理中には神を恨んでいる。しかし、同棲生活を維持するという目的のためであっても、自分の調子に目を向け、徹底的にケアをする機会を得られたことは、長い目で見たらよい傾向なのだとも思う。

きっと、誰かの成長過程では、「もう少し周りをみて行動できるとよいですね」と通知表に書かれたことがあるだろう。私は順番が逆で、「もう少し自分を労えるとよいですね」の周期に入っている。来年の通知表には「ナイスバランス!」と書かれるように、今年は自分を愛してあげようと思う。大丈夫、私を満たしてから相手に目を向けたって、私は十分に優しい。