中学生の頃からの親友であるMちゃんとは出会った頃から好きなものが同じだった。

大人になっても会うたびに、中学生の頃に好きだったものを思い出して、同じことを何度も懐かしがっていた。

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2024年11月中旬。私たちは香港にいた。

通貨の単位も言葉も文字も分からないまま、両替を行い、タクシー乗り場でタクシーに乗りホテルに向かった。両替が正しく行われているのか、タクシーが本当にホテルに向かっているのかも分からなかったけど、2人でスマートフォンで覗き込んで、「よしよし」とうなづくことだけで、ミッションを達成したかのような満足感を得ていた。

街の雰囲気を感じるために旺角駅から歩いてヴィクトリア・ハーバーを目指すことにした。立ち寄った街の中華屋さんで中国語のメニューとGoogleの写真を並べて比較して、料理を想像しながら注文した。ほくほくに温まった蝦の小籠包をがつがつ食べる私を見て、Mちゃんは「中学の頃みたい」と笑う。「今はあの頃の半分くらいしか食べれないけどね」と言いながら、2人で4人前の飲茶を堪能した。

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そのあと、雨の降る香港の街をのんびり歩いた。

夜が更けていくと、アスファルトを濡らす雨水が街のネオンを反射して、街全体がきらきら輝いていた。あまりに綺麗な光景に2人で何度もシャッターを切った。

ヴィクトリア・ハーバーのハーバーショー「symphony of lights」は、圧巻だった。
鑑賞後の帰路は、ショーの感想、今日あった楽しかったこと、驚いたこと、嬉しかったこと、また体験したいことを語る時間。放課後に一緒に歩いた帰り道の復刻版だった

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香港の街並みは私たちの青春を見事によみがえらせた。
今回の旅行で出会った景色や経験が、私たちを青春の延長線へと導いてくれた。
次の旅行で私たちはどんな青春に入り込めるだろうか。