好きなことにやりがいをもって働ける満足な環境だった、それなのに

どうしよう。休職することになった。
今の職場で、私が適応障害で休職するとは思わなかった。
私は職場での仕事にやりがいを持っている。大学で学んだ専門的な内容を生かした業務を担当させてもらうことが多かった。学びを生かせるほど嬉しいことはない。
ある時には、職場の取り組みを外部でプレゼンさせてもらう機会ももらった。
ブラックな職場ではない。パワハラもない。
傍から見たら、好きなことにやりがいをもって働ける満足な環境だった。
それなのに、仕事で心身を壊し、休職する羽目になった。
働いている時は気が付かなかったが、知らずのうちに仕事が負担になっていたのだと思う。
例えば、職場全体に関わるプロジェクトがあり、各部署からは上長が積極的にミーティングに出席していたが、私の部署は契約社員である私と、同じく契約職員もう1人の2人のみの参加だった。
正規職員の上司がいないため、契約社員の身分で大きな発言はできなかった。私たちの発言が私たちの部署の意見になってしまうからだ。また、ミーティングに参加していない人のために同じ説明を繰り返すのも結構大変だったと思う。参加していない職員に文句を言われたこともあった。
一番大きな原因は、部署内のプロジェクトが頓挫してしまったことだ。頓挫の原因は、私が1人でプロジェクトを抱え込んでいたからだ。
私中心でプロジェクトを回すよう上長から指示を受け、私は張り切っていた。プロジェクト管理表を作り、適切に役割分担をしたつもりだった。
途中までプロジェクトは順調に進んでいた。しかし、外部の業者と連携を取る段階で、プロジェクトの動きは滞ってしまった。前年まで外部連携を担当していた先輩が退職し、引き継ぎのないまま私が担当することになった。どのように進めれば良いか上長に尋ねても、「よくわからない」との返事。
1人でやるしかなかった。でも、ただその場でもがいているだけの一人相撲をしていた。何をすればいいかわからない。誰を頼ればいいかわからない。
そうこうしているうちにプロジェクトの目標締め切りまで間に合わない、ということが発覚した。
ああ、私のせいだ。私のせいで、プロジェクトが頓挫してしまった。
涙が止まらない。そして、心身がボロボロになっていたことにようやく気がついた。
病院に行った。私は適応障害と診断された。
現在、私は休職中だ。
休職初期の段階は寝てばかりいたが、最近は活動量が増えた。
それに伴い、自分のこれまでや休職に至ったきっかけを省みるようになった。
きっと、プロジェクトが頓挫したのは私だけのせいじゃない。進捗を確認しなかったり、あまり興味を持ってくれなかった上長の責任もある。チームメンバーそれぞれが適切に機能していなかったのだろう。
そして、私は無意識で頑張りすぎていた。プロジェクトに思い入れがあるが故に独りよがりになってしまっていたのだろう。焦りすぎず、もっと落ち着いていればよかったのだ。頼れる人を見つけ、もっと頼ればよかったのだ。
あの時の自分を、客観的に捉えられるようになった。
とはいえ、復職できるかどうか不安だ。できたとしても、以前と同じレベルで働くのは難しいだろう。私の能力全般が適応障害になったことで下がってしまった。久々に書いたこのエッセイも、うまく書けている自信がない。また自分が壊れてしまうのが怖い。
今の私にできることは、辛くなったら休むこと、無理をしないこと。いろんなネットの記事や動画を調べたが、これに尽きる。
明日はどんな1日になるだろう。調子はいいだろうか、落ち込んでしまうだろうか。毎晩そう考えながら、私は眠りにつく。
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