最近、「あ、私、完全に卒業したな」と思う瞬間があった。
といっても、学校の卒業じゃなくて、考え方とか、生き方みたいなものからの卒業。

それはズバリ、「他人の価値観に従う自分」 からの卒業だ。

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「これって本当に正しいの?」

子どもの頃から、「こうするのが普通だよ」「こうしたほうがいいよ」って、親や先生、世間の大人たちに言われて育ってきた。

「いい学校に行くのが成功への近道」「安定した仕事が幸せのために大事 」「みんなと同じように生きるのが正解」

そういうのを「まあ、そういうもんか」って、特に疑問も持たずに信じてきた。

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でも、あるときふと気づいた。
「え、ほんとに??」って。

例えば、「安定した仕事が幸せ」っていうけど、じゃあ、安定=本当に私が求めてる幸せなの? 「みんなと同じようにしなさい」って言うけど、それって誰のためなの?

そんな疑問がどんどん湧いてきて、「これ、ただの反抗期?」って思ったけど、違った。

むしろこれは、「自分の軸を持ち始めたサイン」だった。

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こういう気づきって、最初はモヤモヤする。今まで素直に受け入れてきたものを疑い出すのって、けっこう勇気がいるし、ちょっと怖い。

でも、その「なんか違うかも?」っていう違和感って、実はめちゃくちゃ大事だったりする。

たとえば、仕事での出来事。

上司の言う通りにやってたけど、「このやり方、効率悪くない?」って思うことが増えた。でも、新人の私が意見するのはちょっと…って思って黙ってた。

でもある日、「これ、こうしたほうがいいんじゃないですか?」って思い切って言ってみたら、意外と「それ、いいね!」ってなった。

あれ? 意外といけるかも? って思った瞬間。「上の言うことがすべて正しい」わけじゃないんだなって、ちょっと世界が広がった気がした。

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「親がこう言ったから」 「みんながそうしてるから」 「上司に言われたから」今までは、それで動いてた。

でも、あるとき気づいた。それって、自分の人生を生きてるんじゃなくて、誰かの"正しさ"通りに生きてるだけじゃない? って。

もちろん、自分で考えて決めるってことは、その結果にも責任を持つってこと。失敗することもあるし、「やっぱりあっちのほうがよかった…」って後悔することもあるかもしれないなと思う。

でも、それでもいい。 「誰かの期待に応えるための人生」じゃなくて、「自分で選んだ人生」 のほうが、よっぽどワクワクするから。

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「他人の価値観に従う自分」を卒業したからって、すぐに完璧に生きられるわけじゃない。むしろ時に誰かの価値観を参考に生きてうまく行くことも多々あると思う。

たぶん、これからも何度も悩むし、「本当にこれでいいのかな?」って迷うこともあると思う。

でも、それでいい。人は何度も「卒業」を繰り返すんだと思う。そして、そのたびに、新しい自分になっていく。サナギから脱皮するみたいな。そんな美しい変容なんだとも思う。

だから、私はこれからも「卒業」を楽しみながら、自分の人生を、自分の選択で生きていこうと思う。