休職=逃げではない。休むことは必要だから、体も心も大切にしよう

職場に向かう電車の中で激しい頭痛を感じ、涙が止まらなくなった。
夜寝られない、朝起きられない、昼眠い。
お客さんから言われた言葉が頭から離れず、ずっと傷つき続ける。
いつも気分が晴れなかった。
死にたかった。
いつからそんな状態だったのかは定かではないが、いつの間にかそんな状態が当たり前となり、私は仕事を休むようになってしまった。
社会人になってたった3年目のことだった。
「3か月の休職を命ずる」
その一言だけが書いてある辞令1枚にさえ、様々な感情が湧いて出て止まらない。
仕事に行かなくて済む、これ以上傷つかずに済むという安心感。
また同期から遅れをとってしまうという不安と焦り。
どうしていつも私はみんなと同じようにできないのかという恥と疑問。
そして、いずれこの休職期間が終わるという恐怖。
1人暮らしのアパートから実家に帰ってもしばらくは食事がのどを通らず、泣いて過ごした。
通院したての精神科の抗うつ剤は、私に合っていなかったようだ。
毎日辛く、苦しいだけ。
睡眠導入剤の効果で寝られるようになっても悲しい気持ちは変わらない。
ずっと死にたかった。
自分にあった病院や薬に出会わなければ、長い休職も意味がなかった。
ここまでずっと暗い内容が続いてしまったが、結論から言うと私は生きている。
うつ病は私の脳を変えてしまったようで、うつになる前に比べ「美味しい」「楽しい」といったプラスの感情を感じにくくなった。
過去の失敗を思い出しては吐き気がするほど悩み、生きていたくないと思うこともしょっちゅう。
定年まで続けるつもりで入社した仕事をやめた。
転職し年収はかなり減った。
同期とのかかわりがなくなり、結婚式に呼ばれても疎外感を感じる。
もしまだあの仕事を続けていたら今は〇年目…。
あの会社を辞めたことで失ったものは、正社員の職だけではなかった。
それでも私は無理に働き続けなくて良かったと感じている。
「もう大丈夫」と思っても、想像以上のストレスにより復帰後職場で血尿が出て、結局退職した先輩がいる。
復職後すぐに再休職し、連絡が取れなくなった知り合いがいる。
復帰することが100%正解かはわからないからこそ、いったん離れてみてほしい。
がむしゃらに頑張り続けることしかできなかった私には、「休職」というストッパーが必要だった。
休職中に「復職支援」という心療内科のプログラムに参加したことで、ストレスに対処する術を身につけた。
元気になった今でも、何かあれば相談できる友人ができた。
悩むのは「うつ病」という持病があるからではなく、「感情」があるからだと割り切れるようになった。
何に強いストレスを感じるのか、できそうな仕事は何か、仕事をしていたら時間がなくてできなかっただろう自己分析ができた。
もしもあの時休職しなかったら仕事を続けていたかもしれないが、人間的な生活を続けていられたかはわからない。
今仕事で悩み、死にたいとすら考えている人がいたら、一度休職し産業医に紹介状を書いてもらってほしい。
夜にたくさん寝て、朝日の光を浴び、栄養のある、食べられるものを食べてほしい。
休職=逃げではない。
休むことは必要なことだ。
職場に復帰するかは、働ける状態になってから考えたらいい。
仕事は定年があるが、自分の体は死ぬまで替えがきかないのだから。
まとまりのない文章になってしまったが、最後に一つだけ。
「体を大切に、心も大切に」
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