世の中にはメガネをかけるとヲタクっぽくなる人とそうでない人がいる

世の中には2種類の人間がいる。メガネをかけるとヲタクっぽく見える人と、そうでない人だ。
私は思いきり前者である。視力は0.1あるかないかなので、矯正器具に頼らざるを得ない。コンタクトは目が乾くし、毎日の使用は健康上よくないと思う。でも、使ってしまっている。だってメガネだとヲタクっぽく見られるから。
メガネがあろうがなかろうが、それほど印象が変わらない人が心から羨ましい。
そういう人たちはヲタク見えのリスクを考えず視力を矯正出来るし、なんなら目が良くてもファッションのアクセントとして伊達メガネをかける選択肢がある。むしろメガネをすることで、していない状態よりもハイセンスな印象を与えられたりもする。なんて素敵で自由なんだろう。
そんなこと言うならヲタクに見えないメガネを選んだり、ファッションを考えたらいいんじゃない?と思われる方もいるだろう。
確かに私自身の意識不足でもある。オシャレに垢抜けて見られるように隅々までこだわっている、という訳ではない。多少なら毛玉ができたニットも着ちゃうし、寝坊した日はメイクもテキトーだ。そういった隙がヲタクっぽい雰囲気を作る一助となっている可能性は、否定できない。
だけど、それだけじゃないと思っている。メガネをしていない私のオシャレ度が-5だとすると、かけた場合-30くらいまで下がってしまう。メガネ以外のアイテムやメイクが全く同じであっても、だ。そうさせる素養が、私にはある。
もうアラサーだし、実力以上に可愛くみられたい、みたいな思いはほぼ無い。
ただ、経験から分かっていることが一つある。ヲタクっぽく見られると、舐められるのだ。
もちろん全員じゃない。メガネの有無にかかわらず丁寧に接してくれる人の方が圧倒的に多い。しかし、ごくたまに舐めた態度をとられるとき、それは大概メガネでいるときなのだ。
その相手は大体店員さんなので、個人的な感情による対応というよりは商品のターゲットであるかどうかが関係しているのだとは思う。
そう分かっていても、イヤだ。「この人、ヲタクっぽい」という目で見られて、じゃあそれほど接客に力を入れなくても良いな、と判断される。それを感じとってしまうと、もう不愉快なのだ。
そんなの気にしなければいいのだけれど、まだちょっと割り切れない。私はプライドが高いのである。
私をヲタクっぽくみせるアイテムは、実はメガネだけではない。トレーナーやスニーカーなどのラフな格好も該当する。これは多分体型のせいだと思う。
「こなれ感」「抜け感」なんて印象にはまるでつながらず、ただ外見に執着の無い人、近所のスーパーに行こうとしている人かのような雰囲気になる。
「ヲタクっぽい」という色メガネで見られないために、今日も私はメガネを外してコンタクトを装着する。
傍から見ればバカバカしいかもしれないが、私にとっては避けては通れぬルーティンなのだ。
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