突然だが、死にたいと思う人はどのくらいいるだろうか。私は3人に1人は死にたいと思う人がいると考える。

死にたい理由って何だろうね

雲ひとつ無い青空を見ながら、ふとそんな事を散歩中の愛犬に問いかける。

「死」と「生」似ていないようで似ている。

これは、私があることをきっかけに、人生の儚さについて深く考えるようになった話だ。

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私は、人生にそれなりに満足していたが学校での生活に退屈を感じ刺激を求めSNSの世界へと足を踏み入れた。自分自身のコミュニケーション能力は高く沢山の人と出会い関わることができた。
多くの人間と関わることは素晴らしいと感じていた。

人間の穢らわしさを知るまでは。

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19歳の夏。煌めく夏の太陽の下、SNSでつながっていた同い年の彼女と初めて会った日、私の日常は大きく変わり始めた。

「美人な子だな〜」

初めましてを交わした日。同い年とは思えないモデルさんのような子だった。話してみると中身は幼く可愛いらしい印象でもあった。そんな美人な彼女と関わるのは少し抵抗があったが、LIVEやイベント、友人を通じて自然とSNSだけの関係でなく身近な親友のような存在になっていた。彼女を通して知り合えた友達も多く、彼女には感謝してもしきれない。だが同時に「美」をきっかけに友をつくるのは難しいのではないかと私は薄らに感じていた。加えて彼女は言葉足らずな部分もありむやみに人を傷つけている時もあった。だが、彼女は過去に傷があり友達が少なく、傷跡を隠すために、ますますSNSに依存してるようにも感じた。

私は、それでもそんな彼女が大好きだった。

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ある日、彼女はSNSをきっかけに心の病を患った。それはSNSの掲示板での見た目に対する誹謗中傷だった。美しさが故に、人間の嫉妬心から起こってしまったものだと私は即座に感じとった。私は画面に移る文字がまるでナイフのように私の心を切り裂くのを感じた。

掲示板は有名なもので既に多くに知れ渡っていた。それは匿名の為誰が書いているか分からない。内容が内容であったが故に彼女は複数の友達を疑ってしまった。疑うしかない。そんな状況。私は彼女と1番近い距離にいたが故に色んな人から疑いの目を向けられていた。

それでも彼女を守りたかった。

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彼女とは解決するまで何度も何度もLINEをした。彼女自身が抱えていたものは大きく私達が理解出来ない悩みだった。私達が相談しても掲示板には増える言葉。彼女だけでなく私自身にも深い傷跡が残っていた。そんな時彼女から1番聞きたくない言葉が出てしまった。

死にたい

この時代が平成なら死ぬのを止める。今は令和だ。死ぬのを止めて彼女は幸せになれるだろうか。だが、止めないのも私に責任が問われるのではなかろうか。

死なないで…

今の私の言葉は本物だろうか。
内心ほっとしている自分が。妬んでいた自分が。
共通の友人も失いそうな今心の底からその言葉を自分自身が発言したとは思えなかった
心のどこかにいたんじゃないのか。醜い自分が。
自分自身に何度も何度も何度も問いかけた。

彼女とは何度も会ってはいるが、所詮SNSの友達…助ける必要はあるのだろうか…??
分からない。
何人か共通の友人に相談をした。少しでもアドバイスをくれるだろう助けてくれるだろうと期待して何人かに相談をした。

だが、誰も助けてくれなかった。

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結局、誰も他人事。自分の事じゃなければ他人事。

掲示板には増えるコメント。一方的な誹謗中傷。

私は仲良くしてくれた彼女を助けたいだけだった。SNSの友人に期待しすぎた自分がいたのかもしれない。

「もう彼女と友達でいるのを辞めよう…これ以上自分が友達を失わない為に」

生憎SNSの友は私とではなく、「私が仲の良い美人な彼女」と仲良くなりたい人が多く前からうんざりしていた。もちろん外見で判断せず私自身と仲良くしてくれる人もいたが、当時は受け入れ切れなかった。

SNS上での誹謗中傷は1ヶ月続いた。
いつの間にか私の心は限界を迎え咄嗟に彼女に私は自分自身だけを護る嘘をついた。

君が全て悪いんだよ。と

そんな訳がない。自分の投げやりな性格に腹が立った。その後彼女とは大喧嘩した。
あなただけは信じてくれると思った」と言われてしまった。当然だと思う。

仲直りしたものの彼女に会えど1歩引いた距離でしか付き合えない。話せない。私は基本的に人を信じることはしないが、SNSを通して友人という存在を更に疑うようになった。また、彼女は心の病や多くの友人を失った。疑うという行為をした彼女は当然だと思う人もいるかもしれない。それでも心の病を患いながら1年前のこの日を思い出し懸命に生きている。

私も友人も本心が本音がわからないまま

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この話を通してSNSが自分が友人が嫌になる人もいるかもしれない。私はこれを読んでSNSを辞めろとは言わない。SNSが守ってくれることもあるからだ。

本心を救ってあげられなかった彼女へ。