わたしが卒業したことは、悩むことだ。いや、今もよく悩む。でも、昔のわたしとは何か違うーー。

◎          ◎

わたしは、よく悩む子供だった。少なくとも小学校六年生には、習い事のクラシックバレエが下手なことに悩んでいた。中学生になると、クラシックバレエの他に、学習塾も悩みの種だった。「友達は私より鏡の近くでレッスンをしていた」「また先生に怒られた」「なんで私は上手くいかないんだろう」そんなことをずっと考えていた。

今のわたしは、なぜ自分が悩んでばかりだったのかが分かる。わたしはいつも、すごく高い目標を立てるのだ。「白鳥の湖の黒鳥を踊りたい」「都内の進学校に行きたい」「超難関大学に行きたい」など。

わたしがいつもすごく高い目標を立てるのは、どうやら癖のようだ。すごく遠い先の最終ゴールを決めておかないと、「わたしは今何をやっているんだろう」と感じる。すごく高い目標を立てると、その時は気持ちが落ち着く。

だが、目標を立てた翌日頃から、余りにも高い目標のせいで気が滅入ってしまい、勉強などをしなくなる。
そんなことが続くうちに、わたしはすごく高い目標を立てても良いけれど、毎日が大事だと気がついた。毎日。毎日朝起きる。寝る。勉強をする。ストレッチをする。それだけでいい。これが昔の自分との変化だ。

◎          ◎

執着を手放した経験は、成功している男性に惹かれなくなったことだ。わたしは、すごく高い目標を立てるから、自分が立てたレベルの目標を達成している男性に惹かれることが多かった。もっと言うと、成功している男性の彼女になることで、自分もキラキラしていると感じたかった。今は、そんな考えはない。自分の目標を達成するのは自分だし、目標や成功と、側にいる相性の良い男性は全く別物だと思うようになった。

「卒業」してから変わったことは、以前は悩むー手が止まるー出来ないの繰り返しだったが、今は悩むー気持ちを書くー少し取り組むようになった。
今は、悩んだらまず日記に書いている。ブログもやっていて、そこでは少し前向きに書いている。かがみよかがみでは、より前向きな気持ちが固まったら書くようになった。言霊と言うけれど、わたしはあまり喋るタイプではないので、「書霊」という感じだ。前向きに書いて、後日読み直すと、前向きな気持ちになれる。

◎          ◎

SNS、仕事への考え方で変わったことは様々だ。SNSは、誹謗中傷が書いてあるコンテンツは見ないようになった。人のネガティブな言葉を見ると、モヤモヤするので見るのをやめた。

仕事への考え方で変わったことは、わたしを受け入れるようになったことだ

わたしは体調不良で前職を退社し、現在は在宅ワークの仕事を探している。前職を円満に退社した訳ではないから、街で前職の人に似ている人を見かけると、あまり良い感情は浮かばない。それでも、「在宅ワークを安定させて、いつか見返してやる!」という強気な気持ちもある。

モヤモヤした気持ちを、「わたしがだめだったから」と内側に向けることはない。
こう振り返ると、わたしは随分強くなった。今も転職活動や、結婚などでよく悩むのだが、そういう時は中学生の頃のわたしを思い返している。「完璧じゃなくて良いんだよ」「高い目標を立てるのは良いことだけれど、毎日を大事にしてみよう」「憧れの人よりも、わたしを強く好きだと言ってる人とまずは付き合ってみたら?」「先のことを一人で考えないでお喋りするだけで良いんだよ」。

◎          ◎

今のわたしが、中学生の頃のわたしだと考えると、「こう考えると楽だよ」というものが見える。いつからぐるぐると悩まなくなったのかは分からない。でも、あの時悩んだわたしがあったから、今わたしは強く歩んでいる。