デジタル社会を生きる中、最低限の時代の流れには乗れていると思うけれど、どちらかと言うと私はアナログ人間だと思う。そもそもAIって何?いつ誕生した?といったレベル。AIを上手く使いこなせば私たちの負担が減り、日々の生活のあらゆる場面において便利で助かるだろう。しかし、AIがどんなに賢くても人間にしかできないことだってある。

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AIと人間の大きな違い。AIには感情がない。感情がないからぎくしゃくすることがない一方で、人間特有の温かみに欠ける面もある。同じ言葉を述べていても言い方によって受け取り方が違うことだってある。私は機械独特のあの平坦な言葉の述べ方がどうも苦手。機械だから仕方ないのだけれど、なんとなく冷たく感じてしまう。

AIはマニュアルに応じた対応は得意だろうけれど、マニュアルにないような臨機応変な対応が必要な場面においては弱いのではないかと懸念する。近頃、ある事柄について問い合わせをしたいなと思った時に、なかなか連絡先の電話番号を見つけられないことがある。やっと電話番号が見つかり、電話をかけると、自動音声が流れ、要件によって番号を押すスタイルがほとんど。私はオペレーターの方と直接話がしたいので、毎回そうなるように番号を押しているが、その道のりが果てしなく長いことが多い。もちろん、人件費等の兼ね合いで、オペレーターに繋がず、自動音声のみで解決できることに越したことはないのだろうけれど、やはり困っている時こそ私は機械よりも人に頼りたくなる。最近では自動音声サービスの他に、要件を電話口に向かって話すスタイルにも遭遇するようになった。

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以前、勤めていた職場でコピー機が故障し、修理を電話で要請する際に、要件を言葉で述べるスタイルで、なんとなく恥ずかしかったのを覚えている。人と話している訳ではないから、自分で言うのもなんだけれど、どことなく不自然に感じてしまう。自分は状況をわかっているから、不自然なのも仕方がないとわかるけれど、状況を知らない周囲の人からしたら、私の行動は一体どのように捉えられているのだろうかと、やや自意識過剰かもしれないが、気になる場面があった。どうやら私は機械と話すのが苦手らしい。

最近ではよくCMでスマホに向かって要件を話すと、AIがそれに応じた回答をくれるシーンが流れていたりする。私はこの機能を利用したことがない。普段、ちょっとした困りごとをネットで調べることはあっても、スマホに話しかけるのは抵抗がある。

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最近見たテレビ番組では、ある飲食チェーン店が調理ロボットを導入している様子が放送されていた。そのロボットは職人の技を再現しているらしい。そのロボットを導入することにより、従業員の働きやすさにアプローチしているそうだ。調理後は洗い物も自動で行われていて、「すごい!」の一言に尽きる。しかし、全ての料理をロボットが調理できる訳ではなく、一部の料理は今でも人の手で調理しているとのこと。それもいずれ、ロボットが担うのかもしれないけれど、人の手じゃないと成り立たないシーンはどんなに世の中が便利になっても存在すると思う。よく工場などでも基本は機械だけれど、ここだけは未だに人の手で行っているといったケースをテレビで見たことがある。やはり繊細な作業などは人の手でないと難しいのかもしれない。

人間よりAIの方が優秀なのではないか、いずれ、AIに私たちのあらゆる仕事を奪われるのではないかと想像し、一瞬怖くなる時があるけれど、私たちには私たちにしかできないことがきっとある。それらを決して見失わないようAIと上手く共存する姿勢が私たちに今、求められているのかもしれない。