お恥ずかしながら、2回休職をした。

業務内容と、初めての一人暮らしという環境が負荷となり、適応障害を患った。これがきっかけで1回目の休職。新人研修が終わり、社会人2年目に入ろうとしている時期だった。 

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休職直前直後の私は精神的に追い詰められていて、仕事の帰り道に涙が止まらなかったり、精神科の先生や産業医からのヒアリングには毎度号泣していた。ライブやYouTubeを見ることが趣味だったのに何にも興味を示さなくなり、お風呂も入れなくなった。

新卒入社→1年で休職。という道に入ってしまった私は焦りに焦っていた。なんとか社会に戻らないと。なんとか働かないと。そんな頭で思いついたのは「転職」。その場に留まる事を許せなかった私。求人サイトに登録しまくりエージェントとの面談を入れ、気付けば強制的に自己分析に取り組んだり、自分のやりたいことを探る日が続いた。

もちろん大学の就活時期にも「自分は何をやりたい?」を自問自答する機会はあった。ただ、実際に働いてみると、自分は何が嫌で何がやりたいのか、より明確に見えるようになった。学生の頃よりも深いところまで自分を見つめることができた。その結果、当時飲食業に就いていたが、次はIT関連の仕事をしようと決めた。

社会人1年目で異業種転職となると職務経歴書に書くことがなかった。だから、転職活動と並行してCSSを学んでみたり、機会音痴なりにキーボードのホームポジションを覚えて、IT業界に必要そうなスキル磨きを始めた。そんなことをしていると運よく次の会社が決まり、焦りに満ちた全く休んでいない2ヶ月の休職期間は幕を下ろした。

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転職から2年。ブラインドタッチができなかった私は、キーボードを壊すほど早くタイピングができるようになり、名前も知らなかったzoomやスプレッドシートも扱えるようになった。「休職してしまった……どうしよう……」「転職なんて情けない……」と暗い認識だった時期もあったが、あの時にこの会社に出会えてよかった!と前向きに仕事ができるようになっていた。

が、2社目でも休職をした。業務内容が原因で適応障害再発となった。精神が病んで自分の嗜好が迷子になって、またYouTubeが面白くなくなった。今度の期間は半年と長く、心の余裕がすり減るとともに、通帳残高は3桁になった。

そうなると、無駄にお金をかけることをやめた。ネイルも英会話もキックボクシングもやめた。逆に譲れない経費も見えてきた。私の場合は食べ物の費用は削ることができなかった。

お金がないので図書館に行きまくった。本を読み漁ると最初は経済学やビジネスの本を読んでいたが、だんだんつまらなくなってきた。最終的には食文化や栄養学の文献を読むことが多くなっていった。自分の好みや趣味が蘇ってきた。

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今は復職して私生活と仕事のバランスが取れている。仕事内容は変わらないが、オンライン上で自分の気持ちを表現したり、イベントに足を運んでいろんな人とコミュニケーションをとったりと、リフレッシュの仕方や休日の楽しみ方がうまくなった気がする。

そんなことをできるようになったのは1回目の休職の時に機械音痴を克服した自分のおかげで、2回目の休職の時に自分は何が好きなのかを発見できたおかげな気がする。

休職は失うものが多いけど、得るものが多い。今まで積み上げてきたものを一気に壊すことになるけど、その代わり、一から何を積み上げたいのかを自問自答する期間にもなる。きっと自分の価値観の転換点や、人生の分岐点に必要で、思考や気持ちのお掃除のために必要なお休み期間だと思う。

休職はタフだが、私は3回目もするだろう。