「仕事してる感覚になる?」適性が試される、それがリモートワーク

コロナ禍に新卒として入社したら、いきなりリモートワークになって4年半働いた私がリモートワークのメリット、デメリットをお話しようと思う。
まずはメリットから。
①出勤ギリギリまで寝られる
大寝坊をかまして寝癖が大爆発していようとも、とりあえずPCをつけて打刻さえできれば、遅刻にはならない!これはかなり大きい。
PCが死ぬ、打刻システムにログインできないというアクシデントに見舞われない限りは、ギリギリまで寝られる。これは出勤時間や身なりを整える時間を捨てることができるリモートワークの醍醐味だと思う。
②タイピングやレスポンスが死ぬほど早くなる
これは会社によるのかもしれないが、私が働いていた会社ではチャットツールを駆使して業務を進めていたため、わからなければすぐチャット!メール!認識のすり合わせ!という感じだった。同時並行で仕事を進めていくには逐一疑問点を潰していく必要がある。とにかく自分でボールを止めることがないようにひたすらチャットで投げていたため、即レスが染みつき、そのおかげで仕事の進め方が身についたと思う。
③時間を有効活用できる
私としてはこれが1番大きかった。昼休みに家でご飯を食べながら録画していたドラマを見る。この時間のおかげでかなりリフレッシュできた。午前中の仕事でどれだけイライラしていても、その現実から心理的に離れることができて、結果的に午後の仕事がスムーズに進むことが多かった。
また、仕事が終わったら速攻でPCを閉じてお風呂に直行!というようなこともできる。
④無理なら泣いてもいい
仕事がしんどすぎて嫌すぎて「なんでこんなことしないといけないんだ…」と泣くこともできる(これは普通の人はしないかもしれない)。
会社だと溜め込んで家に帰ってしまい引きずるかもしれないが、一旦泣いとくことで「まあ泣いても誰も助けてくれんしとりあえずやるか……」と切り替えができる。
ただ、ここで注意してほしいこと。
私が今メリットとして挙げた点は、
・人と話しながら仕事を進めたい人
・自分の部屋では仕事の切り替えができない人
・誰かとワイワイお昼ご飯を食べたい人
にとっては、デメリットかもしれない。
実際友人に「家から出ないで仕事してる感覚になる?」と心底不思議そうな顔で聞かれたことがある。
リモートワークを謳歌するには適性が試されるのだと思う。
続いてデメリット。
①家にいるのに家に帰りたいと思う
何を言っているか意味がわからないと思うが、マジでこれは何度もあった。仕事が終わらなすぎて「なんで家にいるのにこんなことをしないといけないんだ……?」と虚無になった。
②人と顔を合わせて話すのが億劫になる
テレビ電話形式で打ち合わせなどをすることが多かったのだが、なぜかそれがすごく億劫になった。文面で済むならそうしてほしかった。ただ上司からするとリモートで直接会えない分、顔くらいは見ないといけなかったのだと思う。
③外に出なくなる
朝から晩まで家に引きこもって仕事をする→気持ちが滅入って外に出る元気がなくなる→日を浴びないので余計気が滅入る→疲れるから外に出ない、という最悪のサイクルを回していた。これは本当に良くない。
④ 社会人マナーの学習機会の損失
リモートワークで失われたものといえば、お茶を出すような会議、名刺交換、電話番などなど……私は大学時代のバイトで経験したことがあったが、就職してからやってなかったので正直もうできるかわからない。
そういった背景もあってか、コロナの制限が緩和された頃に「20卒以降は経験がなくて出来が悪いから」みたいな理由で無駄に出社させられた期間があった。
ここまで列挙してきたが、私はリモートワークに向いた性格だったのでトータルとしてはよかったと思う。ずっと「こんなんでいいのかな」という気持ちは抱えていた。
今はリモートワークがなく毎日出社、給湯室当番があるような会社で働いている。なんだかテレビで見たことがあるような感じで新鮮だし、やっと社会人になった気がしている。
今後もコロナ禍のように世の中が変わっていくことがあるかもしれない。その変わっていくことに対して、柔軟に対応できる自分でありたい。
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