残業が続くと生活のリズムが崩れる。崩れるというよりも、生活リズムが遅れるの方が正しいかもしれない。
自分時間を譲れない自分と、睡眠時間の優先順位を上げられない私は、仕事が18時に終わっても、20時に終わっても、22時に終わっても、24時に終わっても同じだけ自分時間が欲しくなってしまう。
それでも、忙しくてその時間まで仕事になっている訳で、朝を遅らせることも難しく、睡眠時間だけが圧縮されていく。

◎          ◎

健康面を考えると、忙しい時期は自分時間を抑えてでも睡眠に充てた方が良いことは、頭では理解しているものの、ひとたび自分の世界に入ってしまうと、時間は溶けて外が明るくなり始めるまで没頭してしまう。

最近たまたま耳にしたのだが、この行為には名前が付いたらしい、「リベンジ夜更かし」と。睡眠の優先順位が低い人に多く、日中に出来なかったこと、充実させられなかったことを取り返そうと睡眠時間を削って夜帯に活動してしまうことを指すらしい。まさに、私の行為そのものである。

「リベンジ夜更かし」はコロナ以降のリモートワークの広がりが加速させたのではないかと、自分とその周辺人物を見る限りで思う。
リモートワークのメリットとデメリットを享受しながら、仕事をしている今日この頃。忙しくて日付を跨ぐ日があっても、リモートなら仕事を切り上げた瞬間からオフだしなんとかなるよね、みたいな風潮があったりなかったり。
業界柄、残業は少なくない認識は持ちつつ入社しているものの、コロナに因って日本社会にもかなり広く浸透したリモートワークは、「終電が~」「子どもが~」「家のことが~」という歯止めをある種、取り去ってしまったのではないかと思う。

◎          ◎

そんな言い訳をしつつも、夜更かしができるのは体力のある証拠だと思い、現状をそんなに悪だと捉えてはないところもある。20代の内は好きなことを好きなだけやって、時間をめいっぱい使ってこそ人生なんじゃないかと。

漫画や本を一気読みしてしまう日も、ドラマや映画を観続けて朝を迎えても、調べものを進めていたら夜が明けていても、何かが身になっていればきっとそれでよい。

逆に時間を使った後に何も残らないものは、睡眠時間を確保した方がよっぽど有益だろうとは体力の衰えからか、そんな考えも最近は浮かぶようになっている。SNSで縦動画を流し見している時間とか、本当に不毛なので、やめたい。

手軽さと脳の疲れが掛け合わされると、文化を享受できなくなる。TikTokや、InstagramのReelの何割を興味を持って視聴して、そこから何かを得ているかは怪しいものがあるし、この時間はどこかテレビ番組をザッピング(死語だろうか)している感覚に似て感じる。

子どもの頃夏休みに、時間を持て余して何か見たいものを探しつづけて、見つからずにただもう一巡各チャンネルを辿って、最終的に特に興味があるわけではない最初に点けていたチャンネルに戻してただ垂れ流しで見ていたような。

◎          ◎

20代は自分の為に使って、自分の人生を楽しみたいと思って過ごして来たが、気づくと30歳の後ろ姿を捉えたところ。改めて時間と若さの有限さを感じ、充実度と自分を大切にしたいと思い始めている。