中学生の私よ、ありがとう。志望校を諦めなかった強さが今に繋がった

私は経理事務の仕事をしています。
中学3年の時担任に対して自分の意見をハッキリと言わなければ、経理という天職に巡り逢えなかったかも知れないと思うと、あの頃の私を褒めたいと思います。
中学に入学した頃から既に高校の志望校はどこにしようか考えていました。
希望の条件としては4つあり、
1.小学1年の時からそろばんを習っていたので、そろばんの授業がある学校。授業で習う期間は長ければ長いほど良い。
2.電車に乗って通学したい。
3.演劇部に入りたい。
4.セーラー服の高校が良い。
中学2年の時、全ての条件を満たした高校を見つけました。
母に「志望校決めた!A校に行きたい!」と伝えると「今度どんなところか行ってみようか?」と提案され、運動会の振替休日を利用して母と2人でA校を見に行きました。
「うわぁ〜大きい…お城みたい」
「窓の形、そろばんの珠になってる」
校門のところで親子で校舎を眺めている姿が目に付いたのか1人の先生が「こんにちは。どうしましたか?」と声を掛けてくださいました。
「A校を志望していまして、どのようなところか見に来ました」と伝えると「よかったら中で話聞いて行きませんか?」と通していただきました。
予約をしていた訳ではないのに、教頭先生が学校や授業のご説明をしてくださり、その後校内の見学までさせてくださいました。
帰り際に「再来年、待ってますよ」と仰っていて、絶対にA校に通いたいと改めて思いました。
そして中学3年になり、早々に進路希望の調査用紙が配られました。
迷わずA校を書いて提出しました。
そしてその後の担任との面談でのこと。
「あなたは商業科行きたいのね!?それならB校に行きなさい!あそこなら推薦取ってあげるから!」
「いえ、商業科ならどこでも良いのではなくて、2年の時には既にA校に…」
「いいや、悪いこと言わないからB校に行きなさい!あそこは提携組んでるからあなたなら大丈夫だから!」
私の意見を聞いてもらえることなくその日の面談は終了しました。
「(担任との面談で)行きたい高校却下された」と泣いている同級生もいました。
今年になって他の学年から異動してきたばかりなのに、自分のクラスの生徒のことどれだけ知ってるの?と納得できずにいました。
そして2回目の面談でその思いが爆発しました。
「前回B校を薦めたけど、考えはどう?」
「A校を志望ということで変わらないです」
「この前も言ったけど悪いこと言わないから…」
今度は私が担任の話を遮ってハッキリ伝えました。
「あの…先生、高校に行くのは私です!先生のために高校に行くんではありません!私自身のために行くんです!」
絶句した先生に「失礼します」と言って部屋を出ました。
埼玉県で実施されている北辰テストを受験し、A校は安全圏という成績を取り、推薦入試申込前最後の面談時に試験結果を担任に提出しました。
「Aランクね。あなたなら取れると思ってたわ」
「では当初の志望通りA校で推薦の手続きをお願いします」
無事A校の学校推薦を受けられ、合格することができました。
新卒で入社した会社はA校にしか求人を出さない会社でした。
最初は製造原価計算を勤め、その時一緒に仕事をしていた先輩が引っ張ってくれて経理部に配属になりました。忘れかけていた知識を呼び戻すため休日や休み時間を使って勉強し、日商簿記2級を取得しました。
先輩の下で決算補助をメインに携わり、経理の仕事の楽しさに魅了され、転職しても一貫して経理事務に従事し、勉強も続けています。
あの時担任の言いなりになってB校に入学していたら新卒で入社した会社には巡り逢えず、経理に携わることがなかったかもしれない。
中学生だった私の強さに感謝。
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