少しの素直さと、あなたから借りたアクティブさで、強く生きています

私が好きだった人へ。
久しぶりお元気ですか、あなたへの気持ちを曖昧にしたまま消えていった私のことは覚えていないですよね。全然良いです。
あの時さよならをしたことに後悔は……まあたまにしますけど、強く生きていることを安心してほしいです。
いろんな場所に行きましたね。
私が今アクティブに動けているのはあなたの影響を受けていると思います。新卒2年目の頃の私は仕事でバタバタして疲れてて、休みの日はダラダラNetflixを見て1日を溶かしてた。
あなたに出会ってからは月に数回遊びに行くようになっていました。お互い趣味もオタク寄り、私はインドア、あなたはアウトドア派。全く方向の違うオタクで温度差があったよね。
私がこのアニメ面白いよーって言ったら「じゃあキャンプ行った時にスクリーンで映し出すからキャンプいこ?」っていうタイプ。己ではできないことをさらっと提案してくれる優秀さ。まあ私の気持ちがそこに乗っているかと言われたら。まあその時は好きでしたから「え!なにそれたのしそー」って言ってましたね。好きでしたからね。
アフタヌーンティーに連れていってもらったり、美味しい餃子屋さんに行ったり、高尾山に行ったり、好きなサウナに行ったり、ディズニーに行ったり、キャンプに行ったり。1人では中々楽しめないことを一緒に過ごして、最近の仕事でのことも話し合いもしましたね。お互い別分野すぎて中々理解ができない部分もあったけど、なんとなく聞いてくれるそんな相棒のような関係で1年近く一緒にいてくれた日々は輝かしい思い出としてまだ存在しています。
あなたと別れた理由は全て私が素直で可愛くないから。私が素直でもっと弱みを見せていれば違った未来があった、そんなことを、ふと考えます。
3年目の時でした。自分の目指す高みに行けるよう毎日全力で自分でできる事を1歩ずつ前進、たまに後退しながら地面を踏んでいく毎日。そんなある日尊敬する上司が退職。上司がいなくなって、目指す指標がいなくなって心が寂しいけど前に進むしかない!そう前に走って行きました。
しばらくしてからその上司が同じ系統の事務所を構えた。理由は色々あるのはわかるけど近くにライバル店つくるのってどうなの?さらにお客様まで奪っていく始末。本当に心が落ち込み、涙があふれ胸の鼓動が速くなり不安が募っていきました。
私はその悲しみをあなたに伝えることができなかったのです。とにかく誰とも会話したくない毎日が始まり私は仕事に楽しさを見出せなくなっていきました。
ちょうどその辺りであなたと別れ話をしました。あなたと釣り合っていない、大体そんな内容で伝えたけど、納得はしてくれなかったよね。そのあとは逃げるように私が連絡先を全てブロックして逃げた。こんな私に1発のビンタくらいは受け入れます。やさしくね?
それからなんとなく仕事を続けましたが、どうしてもそこで働き続けることが辛くなって辞めて今全然違う仕事をしているんです。きっと伝えたらびっくりするような場所で働いていますよ。
仕事を辞めて、失業中にふと思い出しました。あなたといつか行ってみたかった静岡のサウナを。この期間を使いサウナへ。しかも1人で。貴方のアクティブさを少し借りて、リュック1つ持って旅に出てみました。
不安ばかり、何回も調べて迷子になったりもしましたが誰かにきいて助けてもらったりして、なんとか1人で行けました。すこしの素直さとあなたのアクティブさの影響で。
今は、独身貴族です。たまに話し相手も欲しいなって思ったり思わなかったりもしますが、それは素敵なご縁があったらってことで。また会うことがあったら……。いいえないですね。またどこかで。
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