「実はね、話がある。もう別れたい」

突然のLINEに私はものすごく戸惑った。つい3日前にも会っていたのに。その時は全くそんな風に見えなかったこともあり、尚更驚いた。

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こういう瞬間って辛くて苦しくてもう涙が溢れて止まらないものだと思っていたけれど、もはや急な出来事に心が追いつかず涙も出なかった。
私に対する気持ちが冷めてきてしまったこと、とにかく今は何も考えられないくらいに仕事がしんどいこと、そして最後に「今まで幸せだったよ、ありがとう」と書いてあった。

けどね、付き合い始めてからまだ2ヶ月しか経ってないよ。あの時我儘を言ってでも引き止めていたらよかったのかな、直接会って自分の気持ちに素直になって話をすればよかったのかなと沢山考えたし後悔もした。
でも、時間をかけて悩んで出したであろう相手の決断に抗うことなどできず、ただただ素直に受け入れることしか私にはできなかった。それにもうこれ以上、好きな人に負担をかけたくなかった。
何度も何度も考えて打った私からの返信は、1週間経った今でも未読のまま。私の思いはもう一生届くことはないのだろうか。

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初めて電話した日のこと、出会った日のこと、今でも鮮明に覚えている。これまでの人生の中で、もうすでにどこかで出会っていたのではないかなと思うほどの懐かしさや安心感、話しやすさがある人だった。こんな気持ちは生まれて初めてで、まるで映画のワンシーンのように運命的な何かを感じていた。

お店でメニューを開けば選ぶものが全く同じなんてことも多かったし、性格も価値観も似ていた。そして干支も星座も血液型も一緒だと知った時の衝撃は今でも忘れられないな。
話をすればするほどにまるで私を見ているようでもあったし、前世は双子だったのかなとよく話すこともあるぐらい共通する部分が多かった。

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お別れしてからも、相変わらず仕事に家事に忙しい毎日。そんな中でもふとカメラロールを見て幸せだったなと胸がいっぱいになる日もあれば、後悔ばかりが押し寄せてきて涙が溢れて止まらない夜もある。そして恋をしてからというもの、今までとはまるで別の世界を生きているかのように、目に映る景色が変わった気がする。

道端に咲いているお花を見た時、白が似合うからと可愛いブーケをプレゼントしてくれたことを思い出して嬉しくもなるし、来年も一緒に桜見たいねと言ってくれたことを思い出して胸がぎゅっと苦しくもなる。何気ない日常の中にも、数えきれないほどの思い出で溢れていることを今になって実感している。

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最後に、沢山の幸せをくれたあなたへ。

お付き合いをするのは人生で初めてで足りないところだらけだったと思うけど、私はあなたと出会えたおかげで恋することの楽しさも辛さも初めて知ることができました。そして将来は暖かくて幸せに溢れた家庭を築きたいという夢もできたよ。だからこそ、5年後10年後に出会えていたらまた違った未来もあったのかなと考える時もあるけれど、21歳というこの年齢で出会えて良かったなとも思っています。

そしてあの時私は素直に別れを受け入れたつもりだったけれど、今こうして文章を綴っているうちに本当は強がっていただけでまだ別れたくないほど好きだったし、一緒に行きたい場所も食べたいものもまだまだ沢山あることに気づいたよ。

あとね、最近知ったツインレイって言葉がまるで私たちのようですごく驚いた。魂の片割れのような唯一無二の存在で、お互いが試練を乗り越えた後にまた再開することもあるらしい。

私の思い込みかも知れないけれど、そんな風にまたどこかで偶然出会える気がするの。だから私、その日が来ることを信じて待ってみてもいいかな?喧嘩したり嫌いになってお別れしたわけではないからこそ、伝えたいことが沢山ある。こんな私と出会ってくれて本当に本当にありがとう。どうか幸せに、楽しい毎日を生きていることを心から願っています。