私が髪の毛を伸ばし始めたきっかけは、高校の友達の結婚式に招待されたことだった。
それまでもイメチェンをしたいという漠然とした思いがあって、前髪を伸ばし始めていたことはあったが、どうしても芋っぽい感じから抜け出せなかった。

コロナ禍の影響で、美容院に行く頻度が減っていたので、伸ばしては切るというようなヘアスタイルを数年続けていた。
コロナ禍明けで久しぶりに同級生と顔を合わせることになり、何も変わっていないと思われたくなかった。 

垢抜けたと思われたかった。

◎          ◎

結婚式の直前まで髪の毛を伸ばし、前髪もかき揚げ前髪ができるぐらいまで伸びた。

そして真っ黒だった髪の毛を明るい茶色に染めた。
念のため イメチェンをすることを会社のチームの人たちに伝えていた。
心配していたほど驚かれはしなかったが、久しぶりに会う人には髪型変えたね、と気づかれるくらいには変化をつけることができた。
色んな人が褒めてくれたのは物珍しかったからか。

そんな風に思うこともあった。
しかし、自分がやりたい髪型をできているということ、自分がなりたい姿に近づけたということが自分自身に自信を与えているということに気づいた。

お金をかける分、新しいスタイルの方が良いと言われたいという気持ちはあった。

最近、髪の毛が短かったときはあるか?と聞かれた。
それだけロングのイメージが付いてきたということだ。

◎          ◎

結婚式が終わった後もしばらく同じ髪型を続けている。
毎朝のヘアセットは大変だが、なりたい自分になれている気がする。
5年前の自分からは想像できない。

それは嬉しくもあり、ヘアスタイルだけでこんなに気持ちも変わるのかという新しい発見もあった。

そして今はまた前髪を作りたいという気持ちになっている。

会社で雑談をしている時に何ヶ月に1回髪を切るのかという話題になった。
節約志向が強い私は3ヶ月、できれば4ヶ月の頻度で行きたいと思っている。

お気に入りの美容院が見つからなかった時は 特にだが、人見知りゆえ、美容師との会話が苦手なので、できるだけ通う頻度を減らそうとしていたことも手伝っている。

男性陣は1ヶ月か2ヶ月に1回起きるという人が多かった。
私も髪の毛が短かった時代があるので、短い髪型をキープするのもなかなか大変だということは共感ができる。

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もし今この髪が長い状態で髪の毛を染めていなかったら、どうしても毛量が多くなり、手に負えなくなるまで耐えているに違いない。
 

しかし美容院に行くことは、自分が綺麗になるための行動であるし、自分を大切にする1つの行為だということに気づいた。
髪の毛を伸ばすまでは身だしなみを整えるために必要な行為だと思っていたのだが、美容師の手を借りてなりたい自分になるために美容院に通うという考え方に変わりつつある。

私が今の茶髪のロングのヘアスタイルにした時は、他人からの目線を気にしてのことだったが、これからは自分のために綺麗になろう。