一人暮らしは楽しいけれど。誰かと暮らすことが億劫に思えてしまう

私は一人暮らし歴7年だ。
大学を卒業するまではずっと実家暮らしで、留学をしていた期間を除くと、ほぼ親に全ての家事をしてもらっていた。
就職をきっかけに一人暮らしを始め、今ではすっかり一人暮らしに慣れてしまっている。
一人暮らしに慣れてしまうと、誰かと暮らすということが億劫になってしまう。
自分の好きな時に起きて、自分の都合で出かけ、自分のためだけに家事をして、自分の好きな時に寝る。
最初は料理を始めとする家事全般をこなすことに、おっかなびっくりしながら始めた一人暮らしだったが、自分のためだけに何かをするということがどれだけ楽か気づいてしまった。
他にも長く一人暮らしをしている会社の人に話を聞くと、誰かと一緒に暮らせるか不安と言っていたり、誰かと暮らすとしても絶対に自分の部屋が必要と言っていた。
一人暮らしは自分で家賃を賄って、自分で家事をしなければいけないけれども、誰に気を遣うこともなく自分のためだけに時間が使えることの幸せを噛みしめることができる。
しかしやはり一人暮らしは不安だ。
特に一人暮らしのときに不便なことは、体調不良のときと地震があったときだ。
一人でトラブルに対処しなければいけないということはとてもプレッシャーで、ストレスを感じる。
ありがたいことに、もし私が体調不良になった時は食料や薬を届けるよと言ってくれている人が何人かいる。
しかし家族や彼氏ではない人に家まで来てもらうのは申し訳なく感じてしまう。
今までは何とか長期間寝込むことなく体調を保ってきているが、本当に体調を崩した時は頼らざるを得ないのだろう。
家族や彼氏ではない人に不安を与えないためにも、私は早く誰かと暮らした方がいいのかもしれない。
実家暮らしをしているときは、全く寂しさを感じなかった。
一人暮らしを始めてから感じたような、ふとした瞬間に寂しさや空虚感を感じることがあるなんて知らなかった。
そして今も実家に帰省した時は、心が満たされて安心感や幸福感を感じている。
一人暮らしをしているときに寂しいと感じる気持ちが全て満たされてしまう。
それはこのままでいいのかと危機感を感じるほどだ。
今では会社の帰り道に何となく寂しいなと思いながら歩いていても、一人暮らしの家に帰るとそんな気持ちは一瞬で忘れてしまう。
どんどん今一人暮らししているこの家に愛着が湧いてきている証拠だ。
そして誰かと暮らしたいと心の底では願いながらも、どんどん一人暮らしが好きになってきている証拠でもある。
一人暮らしが不安で寂しいと感じている間に、誰かと暮らす準備をしなければならないと焦る今日この頃である。そうでなければ、やがて一人暮らしのプロのようになってしまい、 一人暮らしの快適さを手放したくないから誰かと暮らすことを諦めかねないと思っている。今一人暮らしをしてることは楽しくても、一生一人暮らしをするのはごめんだ。
誰かと暮らし始めるそれまでは、自分のためだけに時間を使える一人暮らしの幸せを噛み締めたい。
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