失敗したり悩むたびに思い出す、かけがえのない韓国留学の日々

私は大学のころに韓国に留学したことがある。
昔から英語を勉強することが大好きだった。英語をうまく話せるわけではないけど、英語の授業は好きだった。英語は聞き取れなかったけどALTに話しかけてみるのが大好きだった。
英語をもっと勉強したいと思って、大学は英語を専門的に学べるところへ進学した。
そこは交換留学の制度があり、私は最初は英語圏に留学してみたいなと漠然と思っていた。
だけど、私の家庭は留学に行かせる余裕はなかった。下に兄弟がいたのだが、高校生で大学進学を県外に考えていた。
留学なんて贅沢な夢の夢だった。
第二言語で韓国語の授業を取った私は、韓国語にどハマりした。ハングルは可愛くて、発音も可愛いくて勉強すればするほど楽しくて。韓国語を勉強する時間は幸せな時間だった。韓国語を話せるようになりたいと強く思うようになった。
韓国にも実際に行ってみたかった。海外旅行もろくにしたことがない自分だったが、お金がなかなか工面できないという理由で諦めたくないと思った。
両親に何度も頭を下げて説得した。私費留学ではなくて交換留学ならば大学三年生一年間、日本の大学は休学のような形で、韓国の大学では授業が受けられる。語学学校も追加料金なしで行ける。生活費などを考えてみても日本で通うよりも安くすむようだった。
両親の許可がおり、交換留学の試験に応募した。私はほとんど韓国語が喋れなかったが、応募者数が少なく奇跡的に合格した。
涙がとまらなかった。
憧れの韓国に行けるんだ。と。
午前中は語学学校に通い、空いた時間で学部の授業を受けた。最初はほとんど理解できなかったが、少しずつリスニングができるようになり、話すこともできるようになってきた。
韓国語を勉強している外国人の友人ができたことが大きかったと思う。
生活する部屋は中国人やカザフスタン人がいた。韓国語を使って色々な話ができ、韓国語を使うことに恐怖心がなくなっていった。
日本人留学生がたくさんいて、日本語を使う時間を減らすために、私は交流を拒んでいたが週末に行動を共にすることが増えた。
やはり悩みが似ていることが多く、話ができて不安が和らいだ。
その友人とは社会人になった今でも交流が続いている。
留学の中でたくさんの人と出会い、悩んだこともあったが本当に色々な体験ができたと思う。
今でも当時留学したことを鮮明に思いだす。
今は社会人となり全く海外とは関係のない部門で仕事をしている。自身は海外に関連した業務ができたらと望んでいる。
その中で、失敗をしたり、覚えることが多く、崩れ落ちそうになる。そんな時に私は韓国でへ留学したあの時間に想いをはせる。
きっと大丈夫。私はうまくできる。そう自信が湧いてくる。大切な大切なかけがえのない時間だ。
私は頑張れる。
ポジティブになれる。
留学ができたこと、韓国語を習得するんだという情熱をもち、一つのことに粘り強く取り組んだこの経験は、私の人生にとってすごくすごく意義がある時間だった。
この時間を神様がくれたんだ。感謝したい。
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