2016年から2020年までの大学4年間、私は夏休みに背伸びをして頑張ってきた。
楽しいこと、かけがえのない経験、高校生の時の私では考えられないような経験、そして、毎年レベルアップを繰り返すことができたと思っている。
本当に、本当に大変だった。心身ともに消耗した。今でも当時の燃え尽き症候群があると思っている。

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たとえば台湾での子供のボランティア。2週間の沖縄でのファームステイ。そのまま北海道でのファームステイ。北インドでの1ヶ月のヨガ留学。新しいバイトへの挑戦。インドネシアやタイで国際法の勉強をしていたこともあった。そして、時々のデート。

人生の夏休みと言われる大学生活の中の夏休みを、成長の機会だと捉えていた。BBQやキャンプ、ビーチには1度も行かなかった。友達とご飯も行かなかった。
有意義なことだけをして、自己投資をしたかった。たまにインスタに載せたいからデートをしたかったくらい。

最近気づいたことなのだが、私はなぜか夏が元気いっぱいだ。6月〜9月にかけてすごく元気な模様。だからこそ大学生の夏休みに目標を持ってしっかり頑張れて、自分との戦いができたと思う。

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高校2年生から本気で受験勉強と課外活動を始めたから、頑張れた夏は2014年から6年間かもしれない。
毎年自己投資をして、優秀な就活生になって、就職偏差値の高い企業に内定をもらいました!というのが綺麗なまとまりかもしれないけれど、就活浪人をして、小さなブラック企業に入って、すぐ辞めるというのを2回も繰り返した。

そして社会人5年目の今は休職中。社会復帰できるとは思えない。
大学に行った意味はなんだったんだろうか。夏休みに自己投資をしてきた意味はなんだったんだろうか。

大学を卒業した2021年からずっと考え続けてきた。
仕事も覚えられないし、大事にしてきた英語も忘れているし、そもそも人生においてやる気が出ないし、自己投資をしようという気持ちにすらなれない。
逆に過去6年で頑張りすぎて燃え尽きたのではないだろうか。あんなにやりすぎなければ良かったのではないか、と後悔までもした。

社会人歴4年目の2024年、入籍して結婚式をすることになってから気がついた。
これまでの夏に自己投資をして良かったことは、私には友達がたくさんいることだ。
確かに、夏休みは全くと言っていいほど友達と会わなかった。
だけど私はあの6年間の夏にいろいろなことをしたおかげで、いろいろな話をできるようになり、誰かとの会話が本当に楽しくなったのだ。

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一部の友人とは国際法について真剣に話すようになり、また別の友人とは東武東上線について話したり、北海道出身の後輩とは北海道の魅力について話をし、バックパッカーの友達とガンジス川について語ったり。

友人といろいろな話ができるようになったからこそ、この世が本当に面白く感じるようになり、人と会うのが楽しみになった。
恋バナのジャンルも広がった。顔がタイプの人と付き合いたいとか、LINEの返信が遅い人が無理、というようなジャンルから、就活や将来、過去の経験からの価値観が合う恋人とはどんな人か、結婚というのは自分の人生においてどのような影響を与えるのかという、恋愛ではなくあくまで人生のパートナーとの結婚を見据えた恋バナもできるようになった。

いろいろな人と話が合うようになり、その延長で友好関係が深まり、結婚式に呼びたいと思える友人がたくさんできた。

そもそも、大学関連で友人がたくさん増えたし。
結婚式では友達を30名ほどお呼びした。だけど、本当は+15名は呼びたかった。
私は小学5年生という半端な時期に転校をして、友達が0人になって、一緒に帰る友達も、一緒に部活に入る友達もできず、大学の履修はほぼ1人ぼっちでインターン仲間もバイト仲間もできず、仲良しな友達はいなかったと思う。

小学生〜高校生までは大変だった。友達が欲しくてたまらなかった。
だけど、またまた友達が0人の大学に入学してからは今度は自分の心に蓋をして、一人で生き抜くと決めた。

だからこそ私には仲良しと呼べる友達はいないと思ってきたし、話し相手は彼氏で埋めようと思ってきた。

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だけど結婚式に呼ぶ友達を考えていたら、私には多くの友達がいることがわかった。
休職するって言ったら、いつでも連絡して、って言ってくれた友達。私のメンタルが落ちるから隔週で会おうって有言実行してくれる友達。LINEでいろいろなことを教えてくれる友達。節約のためにコストコに行く友達。家事ガサツ系友達。メンヘラになった時に連絡する友達。薄い内容の会話から、濃い話までできる友達ばかり。

それはあの6年の夏で背伸びをして、私自身も人として成長できたからだと思う。あの夏で話せる会話だけじゃなくて、自分自身も広げることができたから友達が増えたのだと思う。

残念ながら、離れてしまった友人もたくさんいる。今、近況報告し合ってみたいと思う友人ばかり。だからもうこれ以上離れないよう、これからも友達を大切にしていきたいと思う。今の夫と知り合ったのも、4回の夏を乗り越えてからだ。

そして結婚式でみんなの顔を見て気づいた。私の友達は本当に素晴らしい人たちばかりで、私は本当に幸せな人間だ。受付や誘導など誰に頼むか迷うくらい、頼れて、親戚や他の友達に紹介したいと思える人たちばかりだ。

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夏しか元気じゃいられないことを憂い、学んだ国際法を生かして法律事務所にいるわけでもないし、英会話やヨガの先生でもないし、観光や農業に関する仕事もしていないし、子供と関わる仕事もしておらず、無駄にしてきたと思ってきた。

だけど、今は正解だったと本当に思っている。元気いっぱいになる夏に集中的に自分を成長させることができたことで、お金には変えられない、何よりも大事な世界一の大切な夫と、あんなに欲しかった心を許せる素晴らしい友達がたくさんできた。

社会人5年目の夏の時点で1ミリもキャリアには繋がっていないけれど。
2014年〜2020年の夏の自己投資、頑張れて良かった。過去の自分を褒めてあげたい。