夏は私を大胆にさせた。18歳上の彼と、今年はどんな恋をしよう

2024年夏、30歳。華の20代も終わりを迎え、世間的にはもう大人だと言われる年齢にさしかかった私は、未就学児2人を育てるシングルマザーだ。
ちょっと人には言えないような仕事で出会ったのは18歳も年上の彼。これは、そんな彼と過ごしたとある夏の恋物語である。
彼とは、6月の初めに出会った。最初は話していて楽しいな、面白いなと思うくらいでもちろん特別な感情などはなかった。しかし一緒に時間を過ごして行く中で、徐々に惹かれていく自分がいた。それは相手も同じだったようで、ほぼ毎日会っているのにまだまだ全然足りない、もっと会いたいもっと一緒にいたいと思うことが多くなった。
しかし私のは当時別に彼氏がおり、いわゆる二股状態であった。
自分でも最低だとは思うが、既に彼氏に対する気持ちはなく、新しい彼の方に気持ちが傾いていることも分かっていた。
元彼や元夫に抱いたことのない、会えば会うほど会いたくなるという不思議な感情を抱えたまま、どんどん彼にのめり込んでいった。
それは相手も同じのようで、今まで女性のことをモノだと思っていたらしく(ひどい言い方だけど)、こんな感情は初めてで戸惑っていると言っていた。
7月も終わりに近付いてきた頃、私は高熱を出した。喉や関節も痛く、満身創痍だった。きっと仕事や家事、子どもの世話や彼との逢瀬で無理がたたって体調を崩したのだろう。
ある日の夜も彼に会い、飲み物などの差し入れを持ってきてくれた。少し話してばいばいするつもりだったが、ひょんなことから彼の重大な過去を知らされることになる。そして今まで隠していたけど実は自分はこんな人間だから、私のためにも離れた方が良いと言う。
彼のことが大好きだった私は、当然それを拒否した。彼がどれほど嘘をついていても、どんな過去を持つ人間であっても私は離れたくなかった。私もできた人間などではない上に、普通の昼職には就いていないのでもちろん彼からしたら嫌だろうし複雑だと思う。そこはお互いさまということで受け入れるしかないと考えたのだ。お互いそれなりに生きてきて、離婚も経験して、学生の頃のような純粋な恋愛ができるような年齢でもない。
あれから約1年経った今でも、まだ関係は続けている。それどころか、1年前の最初の頃よりも色々なことを乗り越えた分もっと愛が濃く深くなったような気がする。私の仕事のこと、お互いの価値観のこと、私たちの将来のこと…。彼のことは大好きだけど、同棲や結婚は考えていない。そうしたい気持ちは山々だけれども、子どものことを第一に考えると安易にその決断は下せない。彼の年齢のこともある。それでもお互い困ったりしんどい時には助け合える関係でいたい、なんていうのは果たして傲慢だろうか。
夏は、私を大胆にさせた。年々暑くなるこの日本で、それに負けないくらい熱い恋をしている私たち。甘い言葉をささやいたり、決して軽い恋愛ではない。心から相手を思うからこそ、本当の愛は育まれるはずだ。また夏がやってきた。今年は彼とどんな恋をしよう。
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