止まらない冷や汗。就活の面接へ向かうバスで起きた異変

まだ大学生のとき、就活生だった頃の話だ。
東京で開催される面接のために、朝から高速バスに乗る予定になっていた。
夜行バスではない長距離バスに乗るのは初めてで前日から緊張していた。
今なら長距離移動には飛行機や新幹線を使うのが普通だ。
しかし、就活をしているときはバイトもあまりしておらず、お金がなかった。
そのため1回の面接ごとに飛行機や新幹線で移動することは難しかった。
最終面接以外で企業から交通費が出ることは珍しかったので、できるだけ最終面接以外は飛行機や新幹線を使っていなかった。
うまくやっている人は1日複数社の面接を申し込んだり、最終面接以外でも交通費が出たと言っていたり上手くやりくりしている話を聞いていたが、私は節約が必要だった。
面接に行く当日、なんとなく朝起きたときから貧血気味だった。
貧血だからと言って、予約したバスに乗らないことや面接の日程を変えてもらうことはできない。
そのため貧血で頭が動かないなか、のろのろと準備をして、走って駅に向かった。
電車にはなんとか間に合ったが、走ったこととは関係のない汗が止まらない。
冷や汗が止まらないのだ。
そして何駅か立って乗っていると、吐き気も込み上げてきた。
つり革にすがるように掴まりながら、周りの人に異常な量の汗をかいていることが知られてしまうのではないかということが気になってしまった。
幸運なことに目の前の席が空いた。
青い顔をしたまま座った。
ひたすら目を瞑って、高速バスが出る駅に早く着くことだけを祈っていた。
目的の駅に着いたらトイレに駆け込んだ。
すると生理が始まっていた。
不思議なことに原因がわかると気持ちが落ち着いた。
それと同時に貧血や吐き気の症状も落ち着いてきたのだった。
その後はトイレに行ったことによってバスの発車時間が迫ってきていたので、またバス停まで走ることになった。
なんとか時間には間に合い、無事に東京に向けて出発することができた。
バスの中で体調がこれ以上悪くなることはなく、むしろゆっくりできたことで体調は回復した。
一時は東京にたどり着くことさえ難しいかと思われたのだが、無事に到着することができた。
これほどひどい貧血にはなったことがなかったので、貧血の原因が分かってほっとした。
面接に行くことと、初めての昼間の高速バスで緊張していたことに加えて、生理になる可能性を考えずに駅まで走ったので、貧血が悪化したのだろう。
高速バスに乗ってる間に体調だけでなく、焦ったことによって乱高下したメンタルも回復することができ、その面接はうまくいった。
この経験から得た教訓としては、体調は常に万全に保つことと、そして時間に余裕を持って行動することだ。
時間に余裕を持って行動していれば、今回のように走って貧血が悪化することもなかっただろうし、生理になったとしても、落ち着いて対応できていたと思う。
願わくばあれほどひどい貧血は経験したくないし、あれだけ高速バスを逃してしまうかもと肝を冷やしたくはない。
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