私は、もうすぐ留学に行く。3週間の短期留学だが、私にとっては大きな挑戦。挑戦することは今や私の得意分野でこれまでも色々なことに飛び込んできたが、今回は桁違い。一年以上前から準備してきた一大イベントだ。

持ち物を考えては、現地での生活を想像しては、そわそわ、わくわく、ドキドキ。大学の試験期間にも鎮まることを知らなかった出発直前のこの心情を、今のうちに書き留めておこうと思う。

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行き先はイギリス。人生初の海外がヨーロッパとは大きく出たものだ。ヨーロッパは以前から行ってみたかったので胸が高鳴る。

留学に行こうと思ったのは今回が初めてではない。高校生になる年の春休みに、カナダに行くプログラムに参加しようと思っていた。だが、これはコロナ禍の影響で儚く消え去った。だから、今回は念願叶っての留学なのだ。前から行きたいって言ってたもんね、と両親も資金援助してくれた。

英会話が特別得意なわけではないが、たくさんの人と話して、友達を作りたい。精一杯の英語力を駆使して、何とか話を続けたい。現地の学生って、どんなことを話すんだろう。パブやアフタヌーンティーの文化も楽しみ。ご飯はあまり美味しくないと聞いたこともあるが、逆に太らないのでいいかもしれない。あ、でもフィッシュアンドチップスなどから分かるように、イギリス料理ってカロリーがすごく高いらしいからやっぱり太るかも……

街の雰囲気も存分に味わいたい。この留学のために春休みにハリーポッターを一気見したので、映画の世界に浸ってみたい。聖地巡りなんてしたことはないけれど、映画に入り込んだみたいできっと楽しい。英国には日本と桁違いの長い長い歴史があるから、歴史的建造物がたくさんあるらしい。毎秒写真を撮って、すぐにスマホの容量が足りなくなってしまいそう。久しぶりに色鉛筆で絵でも描いてみようかな。忙しすぎて全然描けないかもだけど、とりあえず持って行ってみる。

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あとは、現地の大学に立ち入ることができるので、日本の大学付属のものとは規模の違う美術館や博物館を堪能したい。見れるところを全制覇してみたいけどさすがに時間が足りないかな。ああ、行く前から忙しい。まだ一回も行ってないのにまた行きたいなんて思っている。

昨年行った先輩曰く、「ベッドに座ったら負け」らしい。とにかくやりたいことが多すぎて常に動いているんだとか。何それ、最高じゃん。普段から大学に遊びにバイトに目まぐるしい日々を送っている私には、それくらいがちょうどいい。もしかして最近の忙しい日々は、この留学のための体力作りだったのかも。動き回って、絶対充実させるんだから。

やばい、楽しみすぎる。書いててニヤついてきた。来たる未来を想像しながら生きるのって、一番楽しいかもしれない。しかも、それが留学なんて!

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不安がゼロといえば嘘になる。スリに遭わないか、トラブルがないか、食事が口に合うか、ちゃんと喋れるか、時差ボケしないか、何よりこの留学を無駄なものにしてしまわないか……でも、そんなの当たり前。初めてなんだから。むやみに不安がるより子供みたいに無邪気に楽しみたい。そう思っている私の最近の浮かれようは、さながら動物園に行くと告げられた子供だ。

このエッセイが公開される頃には、もう留学が終わって帰ってきてるのかな。どんな3週間を過ごすんだろう。想像通りのことなんてないだろうから、あえて今のうちにとことん想像しておこう。そして、現実と想像とのギャップに驚きながら楽しみたい。
よっしゃ、出発前に英語の勉強頑張るぞ!