「お盆、実家に帰らないの?」と、言われるのが実はちょっとプレッシャー。帰れないほど仲が悪いではないが、私の性格や価値観が絶妙に実家の方々と合わないのだ。交通費もかかるし、実家でギクシャクするのも嫌だし、今年は帰らないつもりでいた。でも、周りからいろいろ言われるのも気にしちゃうし、何かいい言い訳がないかな…と考えていた。そこで、ひらめいたのが海外旅行だった。
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小さい頃、英会話を習っていたのもあり、いつかは海外に行ってみたいと思っていた。先延ばしにしていたけれど、大学を卒業したら、海外に行けるほどの長期休暇をとれる保証はない。だから、コロナの規制も緩和されたこのタイミングで海外に行ってみようと思った。小さい頃のだめカンタービレのアニメをよく見ていたこともあり、行先の候補はヨーロッパ。きれいな街並みや、現地の食文化。美術に建築、そして、音楽。どれも一度現地で味わってみたかった。
でも、ヨーロッパだと英語以外の言語も必要になる。さらに、初めての海外旅行。だから、お金はかかるけど添乗員さんのいるプランをウェブサイトで眺めていた。最短6日のものから、8日間、11日間など様々なプランがあった。行き先も、1か国満喫プランや、2か国、3か国まわるものなど様々だった。予算と休みの関係で1か国6日間のプランを第一候補に、ある程度候補を絞って、いざ旅行代理店のカウンターへ。しかし、そこで聞いた話はちょっと残念なものだった。
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パンフレットに記載されているツアー日程は、飛行機の減便の関係で席を確保できず中止のものやキャンセル待ちのものしかなかったのだ。第一希望、第二希望、第三希望……と候補をたくさん作っていったが、どれも飛行機の空き無し……。春の時点で夏の枠に空きがないとは……。大学の夏休みが9月までなので9月も候補に入れたが、関空発のものは空き無し。9月に関空から国内線で成田に行き、成田から国際線なら枠が1枠だけ空いているとも言われたが、追加でお金も時間もかかるのは正直想定外。スタッフの方とも相談し今回の夏休みの計画はなしにすることを決めた。
旅行代理店のスタッフの方と相談した結果、11月ごろに今年の冬から来年の春にかけての日程が出るので、11月になったら春休みの日程で行けるプランがないか探してもらうことにした。もうこの時には、お盆に実家に帰らない言い訳が欲しいとか、なんとなく行ってみたかったとか、そんな中途半端な理由はなかった。だから、別に行けるなら夏休みじゃなくてもいい。春休みでチケットが取れるなら春休みに絶対行こうと思っていた。
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元々は現実逃避のための旅行計画だった。だけど、現地のことを調べているうちに、私にとっては、現実逃避の意味以外も持ち始めていた。実家とは価値観の不一致でうまくいかないことが多かった。今回もそれが原因で帰りたくないと思っている。だからこそ、価値観の全く違う海外で過ごしてみることが、私と実家の関係修復にも少がるんじゃないかと思った。そして、現地の文化や言語を調べているうちに、興味がわき、実際に見てみたい、体験してみたいと思うようになっていた。いつか行けたら海外に行こうじゃなくて、絶対大学生のうちに海外に行こうという強い意志に変わっていた。
だから、今年の夏は語学の勉強をとことん頑張っていく予定だ。なんとなく行きたかった旅行ではなく、どうしても行きたかった旅行にしていきたい。せっかくお金も時間もかけるなら、後悔のない旅行にしたい。夏のチケットが取れなかったおかげで、下調べや勉強の時間が与えられたと思うとチケットは取れなくてラッキーだったのかもしれない。このラッキーを活かして、春休みのヨーロッパ旅行が素敵なものになるよう夏の時間を計画的に過ごそうと思う。