時刻と共に表示されるDM通知。溢れ出る脳汁、だからスマホはやめられない

いつのまにか、スマホは肌身離さず使う相棒になった。別に、私はそこまでスマホが好きな訳では無い。しかし、みんなが使っているのに、ないとは言えない空気なのに、あえてスマホを持たずに生きられるほどの強さを持ち合わせているわけではないので、しかたなく持っているし、連絡先交換や、大学の出席登録や、バイト探し、暇な時間を潰すなど、スマホやパソコン等の機器には本当にお世話になっている。
特にスマホは軽くて持ち運びしやすく、授業中も調べ物のフリをしてインスタを見たり……。特に意識もせず、ついつい手が伸びてしまい、どうにかしないといけないというときに、24時間スマホを辞めるという試みは、まさに私のためにある企画だと思った。
ただ。スマホには、大いなる脅威がある。
睡眠中は、物理的にスマホを使えないのであと12時間……。朝のスマホをやめて、どうにか突破。ただ、無意識に触りそうになる事もあって危なかった。昼になって、また、スマホに手が伸びる。私はメールを確認したくてたまらなかった。パソコンでも見れるには見れるが、スマホの時間表示とともに何かが表示されるあの瞬間が、脳汁溢れ出る、素晴らしい時間なのだ。昨日の夜も。友達にインスタのDMでメッセージを送っていたので、その確認のために見て、まだ返ってきていなくて、焦らすなあ、と思っていたのだ。
そして――私は欲望に負けた。それは、いとも簡単に手のひらに収まり……画面には大量の通知。公式ラインや、インスタの通知もあり、ドキドキすると、まだ、友達からの返信は来ていなかった。悲しい。せっかくここまで我慢したのに。そこで、セカンドスマホ覗きを、我慢することにしている、いや、サードかもしれない。いやいや、こうなってしまってはほぼほぼアウトじゃないか。そんなこんなで、私のスマホをやめてみた体験記は終わりを告げた。
じつは、この文章を書くために何度か挑戦しているのだが、いずれも24時間は達成できていない。しかし。スマホをやめている間は、メールのあとにダラダラ続けたネットサーフィンなど、無意識にやっていた無駄な作業の時間がなくなり、外に出かけたり、テレビを見たり、視野がネットの世界から現実へと広がって、思考が凝り固まらなくなった気がする。ほかにも、うだうだとメールの返信が来ていないか不安になったり、何度もスマホを確認して、まだ返信が来ていない、なんでだろう、という風に苦しくなることも防げる。逆に、自分が相手をヤキモキさせてしまう気もするが……。
いろいろな事情で、24時間は私もできなかったように、なかなか難しいとは思うが、完全にオフの日(?)など、できる範囲でスマホをやめていきたいものだ。私も、今回の体験を通して、スマホの悪魔的魅力と、その便利さに驚いたとともに、これからは、スマホを使役する側として、気を強く持って生活していきたいと感じた。そう言いながら、またスマホを触りたい欲に駆られている私だった。
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