私が恋をしたのは、先生でした。遠いようで近い、大人に、魅力を感じてしまいました。とても罪深いですよね、未成年なのに。相手にとってはきっと、たちの悪い存在でしょう。

通っていたのが女子校だったのもあり、私は性欲の矛先が捻じ曲がってしまったのでしょうか。それとも、単に同級生が怖いからかもしれません。

片思いはしても、いつも散々な目に合うからです。もしかしたら、絶対に付き合ってはいけないという背徳感、禁断の恋に恋していたのかもしれません。それでも、どうしても忘れられず、教師と生徒という関係が終わったあとも、涙で枕を濡らし、日々が胸の苦しさと寂しさでいっぱいになりました。

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そんな私の片思いは、中学時代のことでした。私は、昔から簡単に人を好きになるチョロい人間で、ちょっと優しくされただけで心がドキドキするのです。小学校で片思いの挙げ句、実らなかった恋など忘れ、恋をせずに勉強に青春を捧ごうと誓ったのに、そうそうにその誓いは破られます。

頑張って勉強して入学した女子校で、先生に恋をして。その学校には、若くてイケメンな先生が何人かいました。面食いで、飽き性で、人一倍好奇心の強い私は、その先生だけでなく、他の先生や、別の居場所で同級生の男の子にも恋をしますが、ここでは割愛します。私が今までで一番後悔とやるせなさが残るのは、中学3年生のときでしょうか。

中学時代、私はいじめられていて、先生にもそれを見て見ぬふりをされていた、というか、何なら加害者側だったのですが、とにかく眠れないくらいストレスが半端なく、それを両親に相談するのも、あまりに辛くて、出来ませんでした。そんな傷心の私は、癒やしや救いを求めて、恋をしていたのかもしれないと、振り返って思いますが、それはそれで後味が悪く、学校の記憶を思い出さないようにしている自分の弱さが、不甲斐ないものです。

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彼は年の割に顔が若く、私は彼の目が特に好きでした。どんなイケメンも好きですが、パッチリした二重の目には、なにか逆らえないものがあります。前世が二重だったのかもしれません。とにかく、その人のために生きようと思えました。どれだけつらい日々でも、恋さえ実れば、それに勝るものなどない。完全に彼の虜になっていたというか、依存していたというか、振り返ると、本当に恥ずかしい限りです。

きっと私は、誰か頼れそうな大人に、助けてほしかったのだと思います。

ぱっちりとした、何を考えているかわからない、不思議な目。保存用と布教用と予備にほしいくらいです。――あ、それは中学時代ではなく、大学時代の話でした。

結局、中学時代は告白もせず終わった恋。また私は他の男性に恋をしています。日によって気分にムラがあるので、気になる人も、グラデーションで移り変わっていて、好きな人が一人でないこともざらにありますが、これって普通なのでしょうか。

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とにかくたくさんの片思いを経験して、今私が思うのは、やたらと人に頼るのは良くない、ということ。もちろん、人に頼ることも大事ですが、頼りすぎると、相手にとって面倒くさい相手になること間違いなし。何事もバランスが大事、まあ私も言っておきながら、つい人に期待してしまうところなのですが……。

そして、もう1つ心得ておかないといけないのは、同情と愛情は別物だということです。これが分かれば、私も彼氏、できるのかなあ(泣)。