スマホはツールのはずなのに。いつしかスマホが主役で私が脇役に

24時間スマホを手放した経験は、ないです。1日平均5時間ありとあらゆる動画サイトを見てSNSをチェックする生活を今更手放せるわけないと思ってしまっています。
そもそも、私の一日はスマホのアラームで始まるので、スマホが無い=一日が始まることが無いとなってしまいます。ですが、よくよく考えたらスマホを買い与えて貰う前は毎日「スマホを使わず24時間生活」を毎日実現していたなと気づきました。
私は小学校三年生になるまで、スマホどころか家にWi-Fiすら通っていませんでした。なので、動画サイトは見る手段が無いし、ゲームもできましたがオフラインで対戦相手は弟しかいませんでした。
そんな私は大体午後4時頃に下校した後、友達と遊びに行っていました。近所の児童館に行ったり、自電車でものすごく遠い公園に行ったり、駄菓子屋に行ったり、といったような過ごし方でした。その時にすでにスマホを買い与えてもらっている友達もいましたが、スマホで何かするということはほとんどなくて、みんな親への連絡手段の一つとして扱っていました。
私がスマホを買い与えて貰ったのは中学三年生の終わりでした。今の大人の方からすれば「ふーん」くらいの話ですが、子供からすると中三でスマホゲットというのは非常に遅いです!遅すぎてました!同級生の約9割がスマホを持ってる子で、スマホ無しの私の中学校生活はスタートし、そして終わっていきました。
中学時代にスマホが無くて不便だと感じたことは、学校で会えない友達と連絡する手段が一切絶たれてしまったことです。会いたくても連絡することができないので、街中で偶然出くわしたときに約束を取り付けて、どうにか遠くの友人関係細く紡いでいました。
もう一つは、と書きたいところですが、今思い返してみると特段不便だと感じたことはあまりなかったです。LINE上でトラブルが起きたり、修学旅行でスマホの持ち込み発覚したり、スマホのせいで成績が落ちたりというマイナスな話題に「関係ないです」という顔をできたのがむしろラッキーだったなとすら思います。
高校に入って、一応念願だったスマホを手に入れるわけですが、ここにきて今までスマホを携えてなかった弊害が徐々に表れ始めます。
まず、学校の時間外も学校のことに向き合わないといけなくなったこと。休日でもクラスLINEが動けばリアクションする必要があるし、学校時間外は友達じゃなくなるなんてことはないから夜遅くに来た友達のLINEにも返信しなければいけません。
私はこれが本当にめんどくさくて辛かったです。中学校でこういう習慣がなかったから人よりも余計に嫌でした。また、テスト期間中もどうしてもスマホが気になってしまうこと。スマホって本当に誘惑の塊で、やりたくない勉強とかはもちろん、やりたいことの妨げにすらなってしまうんだと痛感しました。
そして今、冒頭でも言った通り、スマホが無いと生活できない体になってしまっています。最初はスマホなんてなくても生活できてたのに、急に生活にスマホが現れた途端、スマホが主役の人生になってしまったようで怖いとすら思います。
乗っ取られたと、いう言葉が一番しっくりきます。スマホは人生において単なるツールにしか過ぎないのに、いつの間にかスマホに振り回される人生に変わっていっていました。「私が私らしく生きる」といったことを考えた時に、一番それを妨げているのは、スマホかもしれません。
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