今朝もレゴを踏んづけた。地味に痛い。我が家のくーちゃん(ルンバの愛称)も吸うことが出来てしまう極小サイズのパーツを、私の息子達は毎日組み上げては崩し、組み上げては崩し。その繰り返しを楽しんでいる。そしてその都度、部屋が地雷原と化す。

また、彼らがマスキングテープにご執心の現在、リビングの壁や家具は、全てデコられている。2人の幼少芸術家達は、常に誇らしげなのである……。

以前我が家に遊びにきた、子どものいない友人が言っていた。「もし将来自分に子どもが出来たら、散らかった部屋で過ごすのか…私、無理かも…」と。彼女にもちろん悪気はない。そして同じ様に感じる人も少なくないと思う。

私には彼女の気持ちが半分分かって、半分は分からない。なぜなら、母になった今はその意見に同意できるから。そしてその一方で、私自身が子供の頃は、散らかった部屋が全くもって平気だったからだ。

片付ける気すらなかった私と、衣服をゴミ袋6つ分溜め込んでいた夫

私は子どもの頃、片付けが苦手だった。いや、苦手なんじゃない、片付ける気にならなかったのだ(本気で)。実家の4DKの中では、私の子供部屋だけが「のだめ部屋」と化していた(それこそオコタを導入する冬はマジでひどい)。

色んな物が天高く積み上がった空間で住むのが苦ではなく、むしろ、「私と綺麗な部屋は無縁だ」「この煩雑に散らかった四畳半のテリトリーがお似合いだ」などと、勝手に思い込んでいた。もはや友だちの家に行って、子ども部屋が綺麗だった時なんかは、怪奇現象を見ているかのような気分になった。思春期になってから彼氏が部屋にくる時すら、そのままの状態で出迎えて、彼をドン引きさせたものだった(そりゃ千秋様も白目になるよな……)。

そして私の旦那も、独身の頃は大概だったらしい。初めて2人で引っ越す際、私は彼の衣服を45Lビニール袋6つ分は手放させたし(それらの半分以上は半袖のTシャツだった)、未だにお義母さんからは定期的に、実家に残された彼の置き土産が、みっちりと段ボールに詰められて届く(結婚6年目)。

そんな我々が結婚したのだ。少しでも気を抜こうものなら、スイートホームが即座に荒れていくだろうことは、誰の目から見ても明らかだった。だから私は、この新婚家庭の平穏を守るべく、「極力物を増やさない」事と「2日に1度はくーちゃんをかける」事を心がけるようにした。

そんな2本のか細い生命線のお陰で、我が家はなんとかここ6年の間、生活環境を保っている、と思う。大きな家具も何度か手放してきた。お客さんは気軽には呼べないけれど、呼ぶとなれば何とかする。ギリギリでいつも生きていたい、そんなバランス感覚。

綺麗好きの人にはあたり前の事実に、母になってようやく気付きました

私が母になってから、というか、実家を出てから気付いたことがある。それは、散らかっている事そのものは、大して重要ではないという事実だ。

では何が問題なのかという事なのだが、以下に挙げる3点は全て、綺麗好きの人にとっては幼少期から当たり前に理解しているであろう話。しかし、片付け下手の人って、本当に、本気で、マジで、そこまで思考が回らないんですよ…(信じてもらえないかもしれないけれど……)。

1点目は、片付けなければ掃除できないという点。片付いていない部屋では、くーちゃんもクイックルワイパーも出番無し。

2点目は、片付けなければ物の管理が行き届かなくなるという点。物がしょっちゅうなくなる環境では、会社や幼稚園での生活にも影響が波及する。他の家事もガタガタになる。

3点目は、片付けは習慣付けが必要だという点。片付けと掃除を溜め込めば溜め込むほど、後で絶望するのは自分である。

……ヒかないでほしい。こんなあたり前すぎる事象に、結婚してから気付いた夫婦が、あなたのスマホ画面の向こう側に存在しているのです……。

片付け下手の血を受け継ぐ息子たちにどうやって片付けを教えていくか

我ら片付け下手の血を引き継ぎし、血統書付きサラブレッドの息子達がどうなってしまうのか、各実家のじぃじとばぁばも、それはそれは心配していることだろう。私も心配だ……。

我が家の息子達は幼稚園児。片付けスキルが未発達、かつ柔軟なお年頃である。当方としても、ソフト面ではなくハード面を整える方針でやっているつもり(プレイマットの上で遊ぶルールを作ったり、おもちゃ箱の分類をざっくり分かりやすくしたり)。

また、参考にしようとリアルのママ友からエピソードを聞いていると、整理整頓が好きな幼稚園児も世の中に存在すると知る。コレクションするのが好きなタイプの子どもは、それらをジップロックやピルケースで細々と分けるという行為を、年少さんの頃から当たり前のように、しかも楽しんでするらしい。へ、へぇ……??(アンビリーバボー)。

片付けの能力って遺伝しない。実家は整っているのに自分の部屋だけが散らかっていた私自身が、生きた証明だ。しかし、結婚して家庭を持って初めて、「散らかった部屋は居心地が悪い」という感覚を知ったのも、その私。それは元を辿れば、実家の母が整えてくれていた、実家の環境のおかげなのかもしれない。

息子達よ、ママと一緒に未来に向けて足の踏み場作ってみない?

とはいえ私は今、自分の部屋を持っていない。もしかしたら、家族とはいえ自分以外が共有スペースに作り出すカヲスを受け入れられずに、嫌々せっせと片付けているだけなのかも……。

現に、私個人のテリトリーであるクローゼットは、実家暮らしだった時と同様にしっちゃかめっちゃか。服が溢れだしては一部処分して片付ける、この繰り返しである……。

でもさ?人間結婚したからって、そう簡単には変われないよ……????私は今日も今日とて我が家のリビングを、一生懸命、無理して、片付けているのだ……。誰か誉めて……(懇願)。

最後に、片付けられない女と片付けられない男の間に産まれし、息子達へ。

寒いねぇ。我が家は大掃除のタイミングも逃してしまったよ……。今週末、ママと一緒に、2人のおもちゃを、1軍と2軍に分けませんか?それが3人で楽しくできれば、あなた達の未来にも、少しは足の踏み場ができるかも。

もしも将来、誰か大好きな人が出来たとき、綺麗なお部屋で遊べた方が、きっとその子も嬉しいよ。

……え、説得力ない?