2020年が始まって色々なことがあって、予想もしてなかった1年間実家生活。なかなか会えない家族とずっと一緒にいられるのは、家族大好きな自分にはそれは嬉しいし幸せな日々。
正直、1年間オンライン授業で学校に全く行かないからずっと長期休暇気分。そしたらいつの間にか年末になってて年が明けていた。
こんなにあっという間で、ずーっと同じ生活を繰り返した年なんて20年以上生きてきた中で無かったはず。
「あぁーこの1年なんしとったんかなぁ私…」こんなことを思う程に、この1年で何か自分は成長したのかと思えば特にこれまでと変わってない気がしていた。

でも、年明け最初のゼミで授業終盤に先生が仰った一言がいつの間にか「私を変えたひとこと」になっていた。

それは、
「このコロナ禍で明らかに皆さんは強くなっています」

先生は話の流れで何気なく仰っていたと思う。でも私にはその一言が心にいつまでも響くように残った。

きっとこのタイミングでなければ、流れていくのを眺めていただけだった

その当時は自分にとってこの一言で変わった!とは思わなかった。
でも時間が経つにつれ、色々苦労はあってもいつの間にかオンライン化に慣れて上手く対応してきた、そう考えると自分は気付かないうちに変わってるんだ、強くなったんだと思えた。

きっと自分の中で何も変わっていないと思っていた時に、ちょうどこの一言が思わぬ形でポッと現れたから、自分の考えを変えられたんだと思う。
多分そんなこと思っていなかったら「そうですね」程度で、その一言が書かれた紙がサラサラ~っと川に流されていくのを河原に座りながらただ眺めていただけ。
でも実際はそうじゃない。河原に座っていたのは同じだろうけど、流れていく紙を眺めるんじゃなくて「えっ!ちょっ、待って!?」と言わんばかりに急いで立ち上がって濡れることなんて気にせず川に入って紙を掴みに行った。
掴んだ後は「きっと、なんか気になったんだろうな~」って感じ。

あんまりこんなタイプじゃない私が珍しく誰かに直接言われたとかじゃなくて、オンライン上でゼミ生みんなに言ってる話の一部だったのに、不思議と流れていきそうなものを引き戻すかのようにこの一言を心の中で何度か繰り返していた。
直接言われるよりも、意外と今回のこの一言はオンラインで先生の顔しか見えていないからこそ、きっとこんなに気になったのかもしれない。

家族でも恋人でもない人の言葉がこれからも乗り越えられる力をくれた

しかし本当にこんな授業中での先生の一言で気持ちが変わっちゃうなんて、自分らしくないなーとさえ思う。今でも不思議すぎて笑えちゃう。
家族とか親友とか、いたことないけど恋人とかのように自分が近しい存在、大切な存在だと思える人に何かを言われて、それが1番響いて自分が変わるとかは普通に有り得そうだけど、普段そんなに言葉によって自分がすぐに変わってしまう人ではなかったし…
でも人に全然会うこともなく外に出る機会も一気に減って何かに刺激を受けてやってやろうという気になることもなかった1年だったからこそ、ある意味いつも通りの自分ではなかったのかもしれない。

コロナ禍で強くなったというのは多くの人にも言えると思う。
前例のない社会現象に耐え抜いて生きているから、人それぞれ何が強くなったかは違ってくるだろうけど、個人的にはこの1年を経験したからこの先どんな苦難に遭ってもそれを乗り越える度に自分は強くなれると言い聞かせて、乗り越えていけるんじゃないかなって思える。
そう思うと、今回この一言に出会えて、上手く言葉で表現出来ないがパワーを貰えた気がした。
きっと今後も、この一言を思い出しながら様々なことを乗り越えて強くなり、成長していくのだろうと思った。